ECが出前の世界まで侵食 成長続く「出前館」

2018年2月5日 19:38

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 内閣府が2人以上の世帯を対象に行った調査によると、2017年にインターネットを通した出前利用額の月平均は7,368円。16年に比べ21.4%(1,300円)増加したという。

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 読者諸氏の中には失礼ながら「ネットを介した出前」と言われて、ピンとこない方々も少なくないのではあるまいか。

 夢の街創造委員会という、上場会社がある。同社の主軸業務は、「出前館」というポータルサイトの運営。一口で言うと「出前いたします」という飲食店すべてが同社の収益源となる加盟店予備軍。出前館の枠組みは以下の様な具合である。

 *出前館の加盟店になると、「各店のメニューを居ながらにしながら目に出来る」。また「注文をしてから届くまでの予定時間が見通せる」。
 *加盟店獲得はどのようにおこなわれているのか。広告等で認知度を高める策を執っている。そこからは本・支社の営業マンの仕事。「売り上げ向上のための提案(出前館の会員の具体的な成功事例)」を販促ツールにサイトの活用を説き日々足を棒にして当たっている。
 *加盟店から得る課金は、「月額運営費3,000円」+「1オーダー当たりの販売価格の5%」という枠組みになっている。

 付け加えるなら同社は一方で「加盟店の支援策」として「仕入館」(加盟店向け仕入れサイト)を手掛けている。そのためにM&Aで傘下に収めた食品供給子会社体制を整備している。

 出前館の会員には、「餃子の王将」や「天丼 てんや」といった知られた外食チェーン店も少なくない。ちなみにサイトを見て出前を注文する利用者の登録は無料。

 儲かっているのか、という問いかけに「出前館」のウォッチャーを自認するアナリストは「15年8月期から17年8月期までの3期間の平均営業増益率は32%」とした上で、「利用している会員数は現状で約245万人、加盟店舗数は1万5,700店舗余り。依然、成長階段を昇り続けている」とした。

 こうした伸長企業の存在を知ると、内閣府の調査も頷ける。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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