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エルメネジルド ゼニア 2018年秋冬コレクション - 自由に溢れたファブリックに魅せられて
エルメネジルド ゼニア(Ermenegildo Zegna)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年1月12日(金)よりイタリア・ミラノにて発表された。
透き通るような白で包み込まれた会場。床には柔らかな新雪が降り積もっている。天井からはハラハラと雪が舞い、光を浴びてほのかに輝いている。その架空の景色は、幻想的に冬の訪れを感じさせた。そして、この繊細な会場とは相反するほどの力強い光がランウェイを照らし出し、2018-19年秋冬シーズンのミラノコレクションがスタートしたのだ。
まず、ファブリックの豊富さに目を奪われた今季。特に、革素材はしなやかなカウレザーやムートンなどバリエーション豊富に登場した。ムートンのプルオーバーとレザーのスラックスでコーディネートしたスタイルでは、頭からつま先まで全身テクスチャーの異なるレザーを用いている。スタイリング全体で楽しむだけでなく、1着の中でもシボとなめしの部分を切り替えたり、ニット素材とドッキングさせたりと、雪の輝きほども繊細な技が感じられる。
さらに、ニット素材も層が厚く、編み目の模様は様々で、時にはニットとは思えないほど立体的な構造で捉えられた。なかには、ニットジャカードによって和の景色をイメージさせるプルオーバーも提案している。採用されているカシミアジャカード、モヘア、洗いのかけたアルパカ、ウール、コットン コーデュロイといった柔軟なファブリックが、ランウェイの中では共鳴しあっているのだ。
スタイリングは、洗練された空気を崩さないように、比較的スマートなものばかり。フライトジャケットなどミリタリーなアウターは丈が短く、チェスターコートなど極めて紳士的なアウターは丈が長い。キルティング加工を施したショート丈のダウンでは、ハーフジップなどを採用することによってトップにボリュームを乗せた印象だ。幾何学的なネックラインと彫刻的な曲線状のラペルは、シングルとダブルの中間として存在する新たな「ワン1/2ブレステッド」構造というシルエットで提案している。また、ボトムスは裾をスナップボタンで留めるテーパードを採用。それによってリッチなテキスタイルも、端正なテーラードの組み合わせも、どこか肩の力を抜くようなスタイルへと導いた。
そして、何よりこの自由気ままなワードローブに花を添えたのは「XXXロゴ」である。あらゆる形で登場した「XXXロゴ」は、ウールコートの上で主張的なグラフィックとして存在することもあれば、ラペルピンなどでさり気なくポイントとしてあしらわれている場合もある。その多様性は雪が降り積もるこの架空の空間で、ブランドがもつクチュールと奏であった。
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