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都内タクシー値下げ10カ月、利用「増やしたい」16% 「増やさない」74%

マクロミルは都内タクシーの初乗り運賃値下げに関するアンケート調査の結果を公表。値下げにより利用頻度を増やしたい16%、利用頻度変えない74%、平均利用料金は毎月2395円、半数が1000円未満。[写真拡大]
国土交通省は2016年8月、タクシーの初乗り運賃を下げた場合の需要喚起に関する実験を行った。実験の結果、国交省は「効果あり」と判断、17年1月30日から東京都心部のタクシー初乗り運賃は2キロ730円から1.052kmまで410円に値下げされた。
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国交省による値下げ後5日間のサンプル調査では730円以下の利用回数が約9%増加し、410円の利用回数は約23%増えたという結果であった。
マーケティングリサーチ業のマクロミルは値下げ後10カ月経過した12月上旬に、東京都民(20~69歳の男女)1000人をサンプルとして、タクシー初乗り料金値下げに関するアンケート調査を行った。
調査結果によれば、「初乗り料金の改定を受けて、タクシー利用頻度を上げたいと思うか」という問いに対して、「利用頻度を増やしたい」と答えた方は15.7%、「利用頻度を変えようとは思わない」との回答は73.5%で、「利用頻度を抑えたい」が10.8%であった。
また、都民の1カ月の平均利用料金について尋ねたところ、1カ月の一人当たり平均利用料金は2,395円で、全体の51%の者は1,000円未満であった。
「初乗り料金内でのタクシー利用に、後ろめたさ・申し訳なさを感じるか」という問いに対しては、値下げ前では、「とても感じる」が10.3%、「やや感じる」が27.5%で、両者を合わせると37.8%。値下げ後では「とても感じる」が12.8%、「やや感じる」が25.0%で、両者を合わせると37.8%で、値下げ前と値下げ後で大きな変化はないが4割近くの者が初乗り料金内の利用に消極的な感情を持っていることがわかった。
国交省は、高齢者の通院や買い物、子供の学校などへの送迎、通勤なども想定して、18年度に、定額で何度でもタクシーを利用できるサービスの実証実験を行うことを決めている。この「定額サービスを利用したいか」という問いに対しては「利用したい」と答えた者が10.3%、「やや利用したい」が45%、「あまり利用したくない」26.8%、「利用したくない」17.9%で、「利用したい」の合計は過半数を超える55.3%で利用意向は高いと言える。
初乗り料金の値下げは明らかに高齢者その他の交通弱者や訪日客などの来街者の利便性を向上させるものであるが、客単価を下げて業者の利益を損ねるリスクもある。顧客の利便性とタクシー会社の利益の向上とを両立させるような適切な料金設定とサービスの提供がなされるよう国交省およびタクシー業界の今後の努力に期待する。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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