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半導体関連の輸出は未だ堅調、5カ月連続貿易黒字に 10月分貿易統計
20日、財務省は10月分の貿易統計を公表。外需主導の回復が続く中、牽引役の半導体関連は国内生産指数で頭打ち感がみられるものの、スマホ用の半導体製造装置の中国向けが過去最高等、外需向けは未だ堅調。[写真拡大]
財務省は20日、10月分の貿易統計(速報)を公表した。集計結果によれば10月分の輸出額は6兆6931億円で、前年同月比14%と高い伸び率で、11カ月連続の増加となった。一方、輸入額は6兆4077億円で、前年同月比18.9%と10カ月連続の増加となった。
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輸出額から輸入額を差し引いた額は2854億円で、前年同月比では40.7%減と黒字幅は大幅な減少となったものの5カ月連続の黒字を記録した。黒字幅の減少は季節変動によるもので、季節調整済みの金額は、輸出が6兆7022億円で2.0%の増加、輸出が6兆3793億円で1.2%の増加で、差引額3229億円で黒字額は21.1%の増加であった。現在日本経済は外需主導の緩やかな回復局面にあると言われているが、本統計はこれを数値面から裏付けるものとなっている。
輸出の主要商品別の内訳について寄与度の大きいものを上げると、自動車が1兆587億円、6.5%の増加、構成比15.8%、寄与度1.1となっている。また、半導体製造装置が2096億円、29.5%の増加、構成比3.1%、寄与度0.8、有機化合物が1672億円で、30.9%の増加、構成比2.5%、寄与度は0.7とこれら2製品の構成比は高くないものの増加率が極めて高く、輸出全体の増加に大きく寄与している。
一方、輸入面では原・粗油が5721億円で、43.0%の増加、構成比8.9%、寄与度3.2、石油製品が1283億円で、90.2%の増加、構成比2.0%、寄与度1.1、石炭が2055億円で、36.6%の増加、構成比3.2%、寄与度1.0となっており、石油関連が輸入原価の上昇に強く影響していることを裏付けている。
地域別に貿易収支を見ると、対米国が6447億円の黒字で7.1%の増加、対EUが7534億円の黒字で15.8%の増加、対アジアが5101億円の黒字で31.3%の増加、対中国が2657億円の赤字で22.5%の黒字幅減少となっている。
輸出を牽引しているのはオーストラリア向け自動車、欧州向け医薬品、中国向け半導体製造装置(伸び率123.0%)、韓国向け同製品(69.3%)である。半導体製造装置については、鉱工業生産指数では2017年第1四半期の147.4をピークに直近の第3四半期127.0と頭打ち感があるが輸出では34.4%と高い伸びを維持しており引き続き景況の牽引役になっているといえる。
一方、構成比の大きい米国向け自動車はマイナス1.4%と減少傾向にある。米国向け輸出は全体として7.1%の増加だが、輸出はEU向け(15.8%増)、アジア向け(18.9%増)、特に中国向け(26.0%増)へとシフトしている様子がうかがえる。(編集担当:久保田雄城)
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