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国内シェアリングエコノミー市場が拡大、カネ・人材のシェアなどへ波及
矢野経済研究所は15日、国内のシェアリングエコノミー市場に関する調査結果を発表した。
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16年度の国内シェアリングエコノミー市場規模は、前年度比26.6%増の503億4000万円。「民泊新法」成立による大手企業参入と訪日外国人利用者増により市場は拡大し、多様な業界のサービスをリプレースしながら成長を続けると予測している。
シェアリングエコノミーとは、不特定多数の人々がインターネットを介して乗り物やスペースなどを共有できるサービス。08年開始の空き部屋を提供するサービス「Airbnb(エアービーアンドビー)」をきっかけに、自動車を共有する「カーシェアリング」など、様々な業界を巻き込んで拡大をしてきた。
16年度は旅行業法施行令の一部緩和や17年の「民泊新法」成立を受け、民泊市場への参入事業者が増加。オンライン駐車予約サービスなど新たな事業者の参入も進んだことから、市場は順調に拡大した。18年6月より施行の「民泊新法」では、営業日数制限などの引き締めにより既存民泊物件件数の減少などが見込まれるが、合法性の拡充により大手国内企業や外資系企業の参入が増加することから、市場全体での物件供給数は増加すると予測している。
さらにラグビーワールドカップや東京オリンピックなど、訪日外国人増加による利用や、新しい資金調達方法であるクラウドファンディングのような「カネ」のシェアリングエコノミーサービスが伸長していくとしている。こうした「ヒト」や「カネ」に関するサービスも拡大していくことから、21年には市場全体が、1,070億円9,000万円に達すると予測している。
その他、多様な業界にもサービスが浸透しつつあり、店舗スペースのシェア、会議室のシェア、衣料品のシェア、人材のシェアなどが登場している。各サービスの市場は微々たるものだが、既存のサービスをリプレースしながら成長していくと予想されている。
一方で、日本のシェアリングエコノミーは世界と比べると停滞しているという見方もある。シェアサービス拡充が進む米国や中国などと比べると市場規模は微々たるものに過ぎず、そもそも知られていないという「認知度」の問題と、問題発生時の「不信感」が大きいという。今後は、法整備拡充などにより利用者との信頼を構築することで、消費者にとってよりよいサービスが拡充していくことを期待していきたい。
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