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NYの視点:トランプ米政権の経済政策に注目
*07:45JST NYの視点:トランプ米政権の経済政策に注目
今週は、米国のトランプ政権による経済政策の行方に焦点が集まる。共和党上院は、今週中に医療保険制度改革法(オバマケア)の廃止を目指す新たな法案で採決、可決を目指す。オバマケア廃止・代替法案の扱いについては、議事運営上の規則から今会計年度末の9月30日までは、60票の賛成を必要とする審議打ち切り動議を可決せずとも採決が可能となる。共和党だけで50票を得られれば可決も可能だ。共和党は上院で過半数の52議席を有している。ただ、マッケイン上院議員はすでに、民主党の支持も得られるような法案にすべきと、不支持を表明。採決が可能かどうか微妙な状況となっている。この法案では、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)などが大きく削減される。個人や企業に対する義務や罰金制度はなくなる。
トランプ政権はまた、税制改革でも年末までの成立を目指し、追い込みに入る。大統領は、27日に税制改革に関する演説を予定している。また、ホワイトハウスと、共和党議員の6名で構成される「Big 6」(ムニューシン米財務長官、コーンNEC委員長、議会側共和党上院トップのマコネル院内総務、ライアン下院議長、ケビン・ブラディ下院歳入委員長、オリン・ハッチ上院財政委員長)は税制改革の一部詳細を明らかにすると見られている。個人や企業の税率を引き下げるかわりに、税控除を廃止することで資金を補う計画だ。
富裕層向けの税率を現在の35%から20%へ引き下げられる可能性がある。法人税に関して、トランプ大統領は現状の35%から15%まで引き下げることを望むとしていた。しかし、ライアン共和党下院議長は、非現実的に低く、債務を引き上げる可能性を警告しており、20%前後で落ち着く模様だ。北朝鮮の脅威などで、地政学的リスクがくすぶる中、経済政策への期待がドルの下値を支える。《CS》
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