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世界記録を大幅更新、1芯の光ファイバーで毎秒1京ビットの伝送実験に成功
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KDDI総合研究所と住友電気工事は、光ファイバー1芯で世界最大となる毎秒10.16ペタ(1京1,600兆)ビットの伝送実験に成功した。
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これ以前の世界記録は、毎秒2.15ペタビットであったので、大幅な更新になるとともに、京の大台に初めて乗せることに成功した、ということでもある。
ちなみに、伝送容量10ペタビットというのは、1秒で、両面50GBのブルーレイディスク2万5,000枚分のデータを伝送できるということである。また、1億人が同時に100メガビット通信を行うことができる。
光ファイバーは1958年、インド人物理学者ナリンダー・S・カパニーによって発明された。光ファイバー、という名前が考案されたのもこのときである。
技術的にも、理論面からも、以来半世紀超、様々な研究や工夫がなされてきている。しかし従来の光ファイバー、単一コア・単一モードのファイバー通信では、構造的限界から、毎秒0.1ペタビットが限界である、と言われている。
そこで、その限界を打破するために、光ファイバーの中に複数のコアを設けるマルチコアファイバー、複数の伝送モードを活用するマルチモードファイバーなどの「空間多重」技術が開発されてきている。
今回の研究では、6モード19コアファイバー、総計114の空間多重による伝送が行われ、評価用の信号が、11.3キロメートルという距離に渡って送られた。
今回の研究によって、10ペタを超える超大容量光通信システムに実現の可能性があることが示された。これにより、5Gなどの将来の大容量データ通信に対応する、光ファイバー伝送技術の発展が期待される。
なお、研究の成果は、スウェーデンで開催された光通信技術に関するヨーロッパ最大の国際会議European Conference on Optical Communications(ECOC)2017において発表された。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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