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日通、ユーラシア大陸を横断する鉄道貨物輸送サービス提供へ
ユーラシア大陸。ロシアの中央やや左の南側に面しているのがカザフスタンである。[写真拡大]
日本通運は、カザフスタンの国有カザフスタン鉄道と提携し、中国沿岸部から中央アジアを経由して欧州へと結ばれる、貨物の鉄道輸送サービスに乗り出す。日本経済新聞が報じた。
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東の始点は、東シナ海に面する中国の江蘇省連雲港に置かれる。朝鮮半島や日本には、ここから海上輸送が可能だ。構想ルートでは、中国国内をずっと西へと抜け、カザフスタンに入り、同国を横断、そこからさらにヨーロッパへと至る。
まさに現代の「シルクロード」と言うべき構想であるわけだが、この背景には、中国が打ち出している「一帯一路」の構想がある。中国西部から中央アジア経由でヨーロッパに接続する「シルクロード経済ベルト」(一帯)と、中国沿海部から海路でアフリカ東岸までを結ぶ「21世紀海上シルクロード」(一路)の二つを重点的に開発し、一種の経済圏を確立、貿易などを促進しようという計画のことだ。もともとは2014年11月、中国の習近平総書記によって提唱されたものである。
上海を含む中国の華東地域からドイツまでの鉄道輸送にかかる日数は、15日から18日程度。運賃は40フィートコンテナあたり5,000ドルから6,000ドル(55万~66万5,000円程度)が目安となる。海運を利用すれば運賃は半額だが日数は倍、空路では日数は数日だが、運賃は倍では足りない。
要するに、鉄道輸送は船便と空路の中間的な位置付けに置かれるわけだが、安定的なインフラであるので、遅延が生じるリスクが少ないなどのメリットがある。故に納期がタイトな自動車部品や精密機械などの取り込みが見込まれている。
かつて、シルクロードはユーラシア大陸の経済の大動脈であった。時代は大きく移り変わり、絹を積んだ隊商が草原や砂漠を越えていく光景は物語の彼方となったが、姿かたちは変わっても、その経済的な重要性は、時を越えてなお健在である。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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