国内5社、洋上風力発電所を建設するための作業船建造を検討

2017年9月13日 07:43

印刷

自己昇降式作業台船「HASTY-W」完成イメージ図。(画像:東光電気工事発表資料より)

自己昇降式作業台船「HASTY-W」完成イメージ図。(画像:東光電気工事発表資料より)[写真拡大]

 日本の5つの企業が、洋上風力発電所建設用自己昇降式作業台船船団(以下、HASTY-W)の建造について、検討していることを発表した。

【こちらも】三菱重工、ドイツで世界最大出力の洋上風力発電設備を受注

 アチハ、自然電力、東光電気工事、吉田組、若築建設の5社は、2017年7月から、洋上風力発電事業の主力となる5MWクラス以上の風車を、外洋に設置するために必要な組立船・運搬船の2隻からなる作業台船団の建造について検討してきたという。

 なお、HASTY-Wは、洋上風力発電が盛んなヨーロッパにおいて広く用いられているものである。

 2016年7月に改正港湾法が施行されたことにより、日本でも全国の港湾において洋上発電の導入が進んでいくことが期待されている。一方で、国内には、HASTY-Wを保有する企業が一つもなく、その整備のための準備が整っていない。そこで、日本における洋上風力発電の促進のために、日本独自の作業船団を建造・活用することが求められている。

 5社によるHASTY-Wは、独自の設計に基づく、新型の作業台船団となる見込みである。台船と4本の昇降用の脚からなるものであり、台面を海面上に上昇させ、作業を行う仕組み。その他概要は以下の通り。

■組立船

・名称
HASTY-W(ハスティ ダブル)I

・搭載クレーン
1,300トン吊級

・載貨重量トン数DWT
2,000トン

・サイズ
全長85メートル、幅40メートル、深さ6メートル、計画喫水3メートル

・居住設備
50人

■運搬船

・名称
HASTY-W(ハスティ ダブル)II

・載貨重量トン数DWT
1,500トン

・サイズ
全長50メートル、幅35メートル、深さ5.5メートル、計画喫水3.3メートル

・係船ウインチ
10トンウインチ×4基(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事