パナソニック、ロボット掃除機にEV並みの技術を搭載 「ルンバ」に再挑戦

2017年8月25日 11:57

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「ルーロ」外観(写真提供:パナソニックの発表資料より)

「ルーロ」外観(写真提供:パナソニックの発表資料より)[写真拡大]

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 パナソニックは24日、ロボット掃除機に新搭載のレーザーセンサー、従来の赤外線センサー、超音波センサーをあわせた3種類の障害物検知センサーと、部屋の特徴点を捉え位置を認識するカメラセンサーを業界で初めて一台に搭載し、部屋の間取りを学習しながら約2センチメートル幅の障害物まで見分けて家具のキワまできめ細かく掃除するロボット掃除機「RULO(ルーロ)」 MC-RS800 を10月30日に発売すると発表した。

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 iRobotのロボット掃除機「ルンバ」のトップシェアは堅い。今回EV並みの技術を搭載した「ルーロ」は2位以下の競合他社に対して優位性があるのであろうか。ロボット掃除機市場を牽引する「ルンバ」の牙城を崩せるのか。今回の発表はその試金石となると思われる。

●ロボット掃除機の市場

 ロボット掃除機のトップシェアを誇る米iRobotは、4月に日本法人を立ち上げた。同社によれば、2012年から2016年までの4年で、世界における掃除機市場内のロボット掃除機のシェアは13%から21%に上昇。64億ドルの市場となり、今後もさらなる需要を見込むという。また、iRobotのロボット掃除機「ルンバ」のシェアは60%強であるが、シェアはさらに伸びているという。

 2位以下の企業には、シャープ、東芝、日立、ダイソン、パナソニックなどがある。音声会話ができるシャープ、ダストステーション付の東芝、小さいボディーの日立、吸引力のダイソンなど他社との差別化に躍起だ。

 パナソニックは、ロボット掃除機のゴミの取り残しや、隅やキワ掃除への満足度が低いことに着目して、より丁寧にきめ細かい掃除ができるように改良したという。

●「ルーロ」の特長

 ルーロは、新たにレーザーセンサーを搭載し、従来の赤外線センサー、超音波センサーをあわせた3種類の障害物検知センサーで検知精度を高め、より正確に障害物を検知する。幅2センチメートルの障害物まで見分けることで、部屋の隅から家具のキワまできめ細かく掃除できるという。

 新搭載のカメラセンサーで部屋の特徴点を捉えて、自己位置を認識し、走行軌跡をマッピングすることで部屋の間取りを学習するようにAIを進化させ、掃除時間を約50%短縮。また、ハウスダスト発見センサーで、ゴミ量によりパワーと走行を変えて掃除するという。

 吸引力への言及はなく、掃除モードでの対応と思われる。掃除モードは、自動、エリア指定、徹底掃除、お手軽の4つから選択する。エリア指定は掃除したい場所だけでなく、掃除したくない場所も設定できる。この選択は、外出先でのスマートフォンからも操作できる。

●ロボット掃除機(パナソニック、ルーロ)のテクノロジー

 レーザーセンサー、赤外線センサー、超音波センサー、カメラセンサー、ハウスダスト発見センサーの全てを1台のロボット掃除機に搭載したのは、業界初という。

 3種類の障害物検知センサー搭載で、椅子の足などの2センチメートル幅の障害物まで見分けて家具のキワまで掃除する。

 AIも進化させた。カメラセンサーで部屋の特徴点を捉え、間取りを学習しながらゴミの多い場所も認識し、効率よくゴミの取り残しを抑える。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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