大きなトサカを持った新種の恐竜、中国・江西省で発見

2017年8月14日 06:58

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Zhao Chuang氏提供による、コリトラプトルの復元画。(イラスト:北海道大学発表資料より)

Zhao Chuang氏提供による、コリトラプトルの復元画。(イラスト:北海道大学発表資料より)[写真拡大]

 北海道大学総合博物館の小林快次准教授らが参加する国際共同研究グループが、中国・江西省の白亜紀後期(8,360万年~6,600万年)の地層から新種の恐竜の化石を発見、これをコリトラプトル・ジェイコブシと命名した。コリトラプトルは、大きなトサカを持っていたが、これは温度調整、防御、採餌、繁殖などの複合的な目的に使用されていたのではないかとの説が提唱されている。

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 コリトラプルは、同じ地域で過去に発見されているフアナンサウルスの近縁種であると見られ、すなわちオヴィラプトロサウルス類に属する。

 オヴィラプトロサウルス類というのは、恐竜の中で、獣脚類と呼ばれるものの1グループである。ほとんどは歯を持たず、その代わりにクチバシを有する。白亜紀前期から後期(1億4,500万年~6,600万年)にかけ、アジアと北米に生息しており、恐竜が絶滅するまで繁栄していた種の一つだ。

 ちなみに名前の由来はオヴィラプトル(卵泥棒)という、1924年に命名された古くから知られる恐竜であるが、彼らが卵泥棒であるというのは誤解であったということがのちに判明し、今日では、彼らは卵を盗んでいたのではなく卵を温め育てていたのだ、ということが分かっている。

 今回発見された新種・コリトラプトルは、中国・江西省でほぼ完全な全身骨格化石が見つかり、現在は遼寧省にある蘇州古生物学博物館に保管されている。

 コリトラプトルには大きなトサカがあった。これは、現生の飛べない鳥の一種である、ヒクイドリ(ヒクイドリ目ヒクイドリ科)のトサカに非常によく似たものであった、とみられる。オヴィトラプトロサウルス類とヒクイドリでは、鳥が恐竜の子孫であるという学説を採用するとしてもなお系統距離が遠すぎるため、これは一種の収斂進化(異なるグループの生き物が似た姿をもって進化すること)であろうと考えられている。

 なお、研究の詳細は、Scientific Reportsにオンライン公開されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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