中国政府、ネット上での世論誘導は批判に反論せず問題から目をそらさせる

2017年8月9日 11:19

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記事提供元:スラド

taraiok曰く、 中国政府が行っているネット上での世論誘導方法に関する研究が公表された。これによると、中国政府の手法は「完璧」だという(VoxSlashdot論文)。

 カリフォルニア大学による最新の研究によれば、中国政府はSNSを民衆の不満のはけ口として利用しており、その上で政府を支持するようなコメントをSNSに投稿する集団を活用して宣伝を行わせているという。

 中国のアプローチが他者と異なるのは、「プロパガンダ」の方法にある。政府は批評家への反論や政策の擁護はしない。代わりに、悪いニュースの拡散を押さえ実際の問題から注意をそらすため、ポジティブなニュースを大量に流し込みことで世論をコントロールしているのだという。この方法について研究者は「チアリーディング」と呼んでいる。

 また、中国では長い時間をかけて言論抑制機構が構築されており、反政府的な言論に対しては厳罰を課すことで潜在的な抗議者を抑止していた。しかし昨今では大衆に政府批判が可能だと幻想させる程度には批判を許し、大規模な抗議や集団行動の恐れが生じたときにのみ政府は明白な行動を行うという。

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