パナソニックがミツバチに関心を持つ理由 心を変える、環境アクション

2017年7月29日 20:36

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

被写体として人気が高い花と、ミツバチや訪花昆虫をテーマとして撮影を楽しむ機会を提供することで、より多くの人にミツバチの現況や訪花昆虫への関心を高めてもらおうというものだ。

被写体として人気が高い花と、ミツバチや訪花昆虫をテーマとして撮影を楽しむ機会を提供することで、より多くの人にミツバチの現況や訪花昆虫への関心を高めてもらおうというものだ。[写真拡大]

 株式会社ウェザーニューズが発表した「2017年 猛暑見解」によると、7月下旬から9月の気温は全国的に平年よりやや高い傾向で、猛暑が続く予想だ。

【こちらも】パナソニック、4年ぶりの成長に軸足を移せるか正念場

 気温だけに限らず、今年の夏は集中豪雨や洪水などの自然災害が増大しており、被害も拡大している。環境問題に興味がなかったような人でも、近頃の異常気象はさすがに無視できないだろう。

 CO2の削減や再生可能エネルギーの利用など、システムや設備を見直すことはもちろん大切だが、我々が今、もっとも改善すべきことは、自然に対する「無関心」ではないだろうか。

 例えば、人気のハイブリッドカー(HV)やプラグインハイブリッドカー(PHV)なども、環境への配慮というよりは、「燃費が良いから」という経済的な理由で選択している人は多いのではないだろうか。それが結果的にエコに繋がっているのだから、決して間違いとは言えないが、これでは自動車がもたらす地球環境への影響を軽減するだけで、環境問題全般の根本的な解決には至らない。家電製品や産業機器なども同様だ。環境保全に対する考え方に基づいたものというよりは、ランニングコストをいかに抑えるのか、経費削減の目的で設備の見直しを図るというケースは少なくない。

 環境問題の改善に本当に必要なことは設備投資ではなく、個人個人の関心を高めることだ。

 自然から受ける恩恵や、自然と共生することの大切さを真に理解し、知識を身に着ける。国民一人一人の意識の改革が出来なければ、いつまで経っても、環境問題は解決の方向には向かないだろう。

 とはいえ、自然の大切さを伝え、関心を高めようとするような活動は、すこぶる地味だ。

 パナソニックがちょうどこの夏、6月16日から8月31日の期間、大手ミツバチ産品販売会社の山田養蜂場、ミツバチサミット実行委員会らとともに、同社の写真コミュニティサイト「LUMIX CLUB PicMate」で「ミツバチとその仲間たち ミツバチサミット2017 フォトコンテスト」を開催している。ミツバチや訪花昆虫などの野生送粉昆虫は、自然生態系・農業生態系の中で重要な役割を果たしていると考えられているが、近年、国内外において彼らを取り巻く状況は悪化しつつある。同フォトコンテストでは、被写体として人気が高い花と、ミツバチや訪花昆虫をテーマとして撮影を楽しむ機会を提供することで、より多くの人にミツバチの現況や訪花昆虫への関心を高めてもらおうというものだ。

 また、小田急電鉄は、豊かな自然に恵まれている沿線の魅力を伝え、乗客に四季折々の魅力を楽しんでもらうための散歩道「小田急沿線 自然ふれあい歩道」を70コース選定。コースの見どころ情報やコースを巡回しているサポーターから報告される情報をWEBサイトやスマートフォン用アプリで紹介することで、自然とのふれあいや素晴らしさを実感できるような情報提供に取り組んでいる。

 こういった活動は、CO2何パーセント削減とか、大々的な設備投資、エコイベントなどに比べて派手さはないものの、趣味などを通して心に直接呼びかけるため一過性のものではなく、結果的には個人の能動的な環境アクションに繋がっていくのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)

■関連記事
ナッツの殻から開発された環境調和型グリーンプラスチックとは
加速する少子化社会の中で注目される、体験参加型授業
静かに飛来する魔の微粒子。被害を最小限に食い止める方法は?
COP21を契機に、日本の最先端の温室効果ガス削減技術を世界に
共働き子育て世帯が子育てしやすい街 第一位は荒川区

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事