第3話まで我慢?『過保護のカホコ』第2話までに感じる残念ポイントと魅力

2017年7月26日 16:54

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お互いに惹かれ合っていく初(左)とカホコ(右)だが、もう少し2人が惹かれ合う理由が欲しいところだ(c)日本テレビ

お互いに惹かれ合っていく初(左)とカホコ(右)だが、もう少し2人が惹かれ合う理由が欲しいところだ(c)日本テレビ[写真拡大]

■夏の注目作『過保護のカホコ』に異変?

 7月19日に放送されたドラマ『過保護のカホコ』の第2話が視聴率10.8%を記録した。高畑充希主演で、さらに有名脚本家を迎えた作品であるが、数字的には伸びやんでいる印象だ。主演の高畑充希に頼った印象が強く、視聴者も少し現代により過ぎた演出に食傷を覚えているところもあるようだ。

【こちらも】高畑充希の演技にやみつきになる!『過保護のカホコ』の魅力をレビュー

■社会に出ようとするカホコの姿を描く

 大学の同級生である初(竹内涼真)とのバイトを経験したカホコ(高畑充希)は、社会で人を幸せにする仕事をしたいと考え始める。そこで、まずは仕事について知ろうと考え、父である正高(時任三郎)の会社へ母の泉(黒木瞳)と見学に向かう。しかし、父の仕事にピンとこなかったカホコは、親戚の人たちの仕事を見学してさらに知識を蓄えようとする。さらに、初から『13歳のハローワーク』という書籍を薦められて読むが、今いち就きたい仕事はなかった。

 家で悩み続けるカホコだが、泉はそんな彼女に対して花嫁修業をすることをしきりに勧める。今までは泉の言うことならば何でも聞いてきたカホコだが、その言葉だけには従うことがなかった。それでも自分の娘を手元に置いておきたい泉を、正高が注意しようとするが静観することしかできないでいる。

■従姉妹のイトとの関係に亀裂が生じる

 カホコが仕事を探す中、従姉妹のイトが留学をかけたチェロのコンテストに出ることがわかる。チェロを始めた理由を尋ねに行ったカホコだが、イトは手に痛めており楽器の演奏も難しい状態となっていた。そのことを黙っていて欲しいと言われ、カホコはコンテスト当日まで沈黙を守り続けた。しかし、そのケガの影響でイトはコンテスト中に弓を落としてしまい、さらに入院する事態にまで発展する。

 カホコは自分が黙っていたせいでコンテストに失敗したと感じ、初と共にイトを元気づけるため千羽鶴を折ることになる。丹精込めて折った鶴と共にイトの元を訪れたカホコは、さらに彼女を元気づけようと様々な言葉を投げかける。しかし、その言葉が返ってイトの気分を害し、今まで溜め込んでいた負の感情をぶつけられる。その言葉に思考停止となったカホコだが、初の言葉によって心から涙することになる。

■イマイチ脚本と演出がかみ合っていない?

 第2話ではカホコと初の関係が進展し、彼女が親から離れようとする姿が描かれた。しかし、演出面としてはしきりに登場人物をスマートフォンアプリ「SNOW」のようにたとえることに躍起になっており、家族や初との関係性をより鮮明にするような意図は見えなかった。この「SNOW」のような演出はすでに最近では出尽くしており、少し飽きられる要素にもなっているように感じる。

 また、ドラマの各部分では説教臭い台詞なども流れるが、あまり真を捉えておらず横滑りしているようなイメージもある。これはある種、インターネットで流れる格言や名言への皮肉にも取れるが、見ている側とすればあまりストーリーと関係がないので邪魔なものに映りかねないだろう。

 各場面において残念な部分がある『過保護のカホコ』だが、やはり高畑充希の演技は見ていて飽きない。また、第3話の予告ではカホコが感情を露わにするシーンがずっと流れるものとなっていた。ついに本ドラマがスタートするような様相を呈していたので、個人的には3話からの流れに期待したいところだ。

 『過保護のカホコ』は毎週水曜日夜10時から日本テレビ系にて放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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