重力レンズ効果で拡大・変形された像、復元で10倍シャープな画像に

2017年7月12日 20:57

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 ハッブル宇宙望遠鏡で観測された画像に含まれていた、重力レンズによって拡大された銀河の画像を演算処理することで、従来よりも10倍「シャープ」な画像を得ることに成功したそうだ(NASANewsWeekSlashdot)。

 今回対象となった銀河はビッグバンから27億年後、現在からは110億年前に現れたと考えられているもので、地球からはおよそ6億光年離れた場所にあるとされている。NASAのページなどに画像が掲載されているが、この画像に移っている天体の一部は実際にはより遠い場所にあり、それが重力レンズ(天体などの重力によって光が曲げられ、それによって像の一部が変形したり、光が強く見える現象)の効果によって変形・拡大されて写っているという。

 今回、この画像に対して画像処理を行うことで、この変形・拡大された像から元の像を復元することに成功したという。この方法を使えば、直径8フィートのハッブル宇宙望遠鏡で、直径約33フィートの望遠鏡と同じような観測結果を出すことができるという。

 スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | テクノロジー | 宇宙 | NASA

 関連ストーリー:
太陽の「重力レンズ」を用いた超巨大望遠鏡 2016年05月18日
超新星 PS1-10afx が異常に明るい理由は重力レンズによるものと判明 2013年04月30日
重力マイクロレンズによる系外惑星の発見 2006年01月26日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事