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仕事へのモチベーションは?将来の予想年収は?若手とベテランでは違いが
メディケア生命保険は、「若手とベテランの仕事に関する意識調査」についてインターネットリサーチを行い、全国の20~29歳の社会人歴5年未満の若手500名と40~59歳の社会人歴15年以上のベテラン500名、合計1,000名から回答を得た。
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この調査では仕事のモチベーションをはじめ、社内恋愛、給料、プラベートなど多岐にわたって質問しているが、選定して4つを紹介したい。
一つ目は仕事のモチベーションについてだが、若手のモチベーション第1位は「就業時間内」(28.6%)、第2位「計画通り」(27.6%)、第3位「レベルの高い仕事」(26.8%)、第4位「一緒に働くメンバーに感謝されること」(26.2%)、第5位「お客様からの感謝」(25%)だった。
一方、ベテランのモチベーション第1位は「レベルの高い仕事」(30%)、第2位「成果に見合った給料」(28.2%)、第3位「お客様からの感謝」(27.2%)、第4位「計画通り」(27.0%)、第5位「就業時間内」(20.8%)だった。
若手はベテランより給料ではモチベーションが上がらず、また、就業時間内に終わることや計画通り終わることで仕事のモチベーションが上がるという人が多いようだ。一方、ベテランでは、レベルの高い仕事に携わることやきちんとした評価・給料を得られることで仕事のモチベーションが上がる人が多い。
二つ目は仕事とプライベートでどちらかを選ぶシーンを提示し、それぞれどちらを優先させるか質問した。
「大事な会議」と「急病の家族の病院への送迎」のどちらを優先させるかという質問には、若手は「大事な会議を優先する」(26.6%)、「急病の家族の病院への送迎を優先する」(73.4%)、ベテランは「大事な会議を優先する」(17.0%)、「急病の家族の病院への送迎を優先する」(83.0%)となった。「急病の家族の病院への送迎を優先する」と回答した人の割合は若手よりもベテランのほうが10ポイント近く高い結果だが、若手とベテランのそれぞれどちらも家族を優先するほうが多数派となった。
三つ目は、将来、出世した場合、最高でもらえる年収額のイメージを質問。若手では、「年収500万円」(16.4%)や「年収1,000万円」(15.0%)などに回答が集まり、平均額は886万円となった。
一方、ベテランでも、「年収500万円」(12.4%)や「年収1,000万円」(22.0%)などに回答が集まり、ベテランが予想する平均額は920万円となった。若手とベテランで平均額を比べてみると、ベテランのほうが34万円高い結果に。物心ついたときから不景気な時代を生きてきた若手は、将来の給料に期待していない人が多いようだ。続いて、将来、最低でもこのくらい貰わなければ、と思う年収額を聞いたところ、若手では平均額は456万円。一方、ベテランでは、平均額は520万円となった。若手とベテランで平均額を比べてみると、若手のほうが64万円低い結果となった。
最後に若手とベテランはお互いをどのように評価しているのか?と質問を投げかけた。
若手に、職場のベテランの「すごい」と思う能力は何か聞いたところ、「業務知識・能力」(58.8%)で最も高く、次いで、「社内での立ち回りの上手さ」(36.0%)、「人脈(顔の広さ)」(34.2%)、「顧客との駆け引きの上手さ」(26.0%)、「適切な言葉や表現を用いて、過不足なく情報を伝達できる力」(25.4%)が続いた。
また若手がベテランに不足していると思う点は?という質問には、「気持ちを察する力」(19.2%)が最も高く、次いで、「カリスマ性(一目をおかれる存在)」(11.4%)、「適切な言葉や表現を用いて、過不足なく情報を伝達できる力」(11.2%)、「社内での立ち回りの上手さ」と「失敗をリカバリーする力」(それぞれ10.8%)だった。
若手とベテランでは、社会人としての経験値が異なり、人によっては親と子の年齢くらい離れていることもあるため、自分の気持ちを察してもらえないと感じてしまう若手も少なくないのかもしれない。また、コミュニケーションが不足していることで、自分の気持ちがわかってもらえていないとジレンマを抱えている若手が数多くいるようだ。
一方、ベテランは若手のことをどのように評価しているのか?ベテランに、職場の若手の「すごい」と思うことを聞いたところ、「自分の意見を言える・通す力」(10.4%)が最も高く、次いで、「業務知識・能力」(10.0%)、「様々なものから学びとることのできる吸収力」(9.6%)、「社内での立ち回りの上手さ」(9.4%)、「責任感(最後までやり遂げようとする意思)」(9.2%)が続いた。
また、職場の若手に「足りない」と思うことは何か聞いたところ、「業務知識・能力」(26.6%)が最も高く、次いで、「適切な言葉や表現を用いて、過不足なく情報を伝達する力」(20.8%)、「社内での立ち回りの上手さ」(18.2%)、「何が課題なのかを正しく把握する力」(17.2%)、「気持ちを察する力」(17.0%)が続いた。
若手、ベテランそれぞれ生きてきた時代が違う、バブル景気で沸いた時代に就職した人間と、不況で先行きの見えない時代に就職した人間とでは、仕事へのモチベーション・考え方が違うのは当然だろう。だが、今回の調査結果を眺めることで、若手、ベテランが何を考えているのかがイメージできると思う。若手、ベテランが敵対するのではなく、お互いの良いところを理解し、良い点の相乗効果で業績の向上、職場の雰囲気もより一層良くなるのではないだろうか。今回の調査が働く人にとって参考・一助になればうれしい限りだ。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る)
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