大和ネクスト銀行、AI活用のチャットボット導入 回答は機械学習

2017年6月21日 16:34

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 大和ネクスト銀行は行内照会業務において、人工知能(AI)技術を活用したチャットボットを導入する。同行の代理店業務を担う大和証券の各支店およびコンタクトセンターから日々寄せられる商品・サービスに関する問い合わせに、AIを備えたチャットボットが回答していく。

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 大和ネクスト銀行のサポートセンターのノウハウを800通り以上のQ&AとしてAIに学習させることで、銀行代理店や社内からの幅広い質問に対して、時間を問わずチャットボットが即座に対応する。

 導入当初はサポートセンターのオペレーター支援、および新人オペレーター向け教育ツールとしての利用を想定、問い合わせ繁忙期におけるサービスレベル低下の抑制やノウハウ習得時間短縮等の効果を期待している。

 本技術の導入は大和総研とユーザーローカルとの協業により実現した。ユーザーローカルはビッグデータの解析・人工知能による情報提供サービスを行っている企業。企業のデジタルマーケティングデータとSNS上の膨大なデータの分析を中心に企業経営やマーケティングの意思決定をサポートしている。

 ユーザーローカルが特徴的なのはこうしたビッグデータ用いた解析、データ処理の工程を人工知能に機械学習させながら進めていく点である。人工知能を用いることで、高度な付加価値を提供することを実現している。

 なかでもユーザーローカルが高い注目を浴びているのが人工知能を生かした「カスタマーサポート」業務。膨大な情報を人工知能に学習させることで、サービスの質も進化。チャットボットを生かしたカスタマーサービスの自動化に注力している。

 チャットボットとは人間の代わりに自動で会話してくれるプログラムである。LINEなどのチャット型コミュニケーションサービスが一般化したことに加えて、AI技術が急速に進歩したことによりマーケティング活用について検討する企業がここ数年増加してきた。

 チャットボットの活用シーンも拡大している。EC・予約サイトでは、問い合わせ対応だけでなくボットが会話を通じて商品やサービスを提供。ヘルプデスクでは、社内外の問い合わせに対して24時間対応、解決できない問題については学習を繰り返してブラッシュアップする。公共サービスにおいては24時間体制を実現することで、コールセンターの入電数や待ち時間を削減できる。法人からの問い合わせに対しても、大切な見込み客をチャットボットがもてなし、訪問者の離脱を防ぐことができる。

 こうしたシーンの拡大により、現在金融系のサポート業務を中心にAIを活用したチャットボットの導入が盛んである。今後現場にて実績を積むことで、人手不足に悩むカスタマーサポート業界全般において一気に普及する可能性がある。

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