精神状態の改善に「ビフィズス菌M-63」が寄与 日本農芸化学会で発表

2017年6月18日 19:35

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記事提供元:エコノミックニュース

森永乳業は、マレーシアのマレーシアサインズ大学と共同で、同社オリジナル素材「ビフィズス菌M-63」の摂取による精神状態改善効果を検証

森永乳業は、マレーシアのマレーシアサインズ大学と共同で、同社オリジナル素材「ビフィズス菌M-63」の摂取による精神状態改善効果を検証[写真拡大]

 森永乳業は、マレーシアのマレーシアサインズ大学と共同で、同社オリジナル素材「ビフィズス菌M-63」の摂取による精神状態改善効果を検証。検証結果を日本農芸化学会2017年度大会にて発表した。「ビフィズス菌M-63」の摂取により、マレーシアで発生した洪水災害の影響で腹部症状を有する被災者の精神状態を改善したとのこと。大規模な洪水災害では、衛生環境の悪化により、病原菌の増加や被災者の体力低下などから、被災者の腹部異常や精神状態の悪化が起こる。災害発生時のみでなく、復興期にも被災者の精神状態や健康への医療対策が求められていた。

 森永らは、14年12月に洪水災害が発生したマレーシアのクランタン州在住の成人、31人を対象に検証を実施。洪水災害後に機能性胃腸症や過敏性腸症候群といった腹部異常を有する11人に対して「ビフィズス菌M-63」粉末(25億個/包)を1日1包、3ヶ月間摂取してもらった。対象群として、同じく腹部異常を有する被災者でビフィズス菌を摂取しない20名(非摂取群)を設定した。介入前後の変動値を比較した結果「ビフィズス菌M-63」摂取群では、精神状態を示すスコアである「精神的側面のサマリースコア」が非摂取群と比較して有意に改善された。また、介入後の「精神的側面のサマリースコア」も同様の結果となり、精神状態が改善されていることが示唆された。

 

 近年、腸内細菌の形成する腸内細菌叢の構成が肥満や代謝、ストレス行動に深く関連することがわかってきている。たとえば肥満によってFirmicutes(ファーミキューテス門)/Bacteroidetes(バクテロイデーテス門)比率が高くなることがわかっているが、今回の検証では、介入後の精神的側面のサマリースコアとFirmicutes/Bacteroidetes比率に有意な負の相関が認められた。このことから、「ビフィズス菌M-63」摂取による精神状態の改善効果に腸内細菌が関与している可能性が考えられる。

 今後は同社の研究により、それぞれ整腸作用や低出生体重児への作用が認められた「ビフィズス菌BB536」、「ビフィズス菌M-16V」などとともに、「ビフィズス菌M-63」の研究を進め、災害時や通常時の健康増進に役立てられることが望まれる。(編集担当:久保田雄城)

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