若者注目求人サイト「新宿区U29しごと図鑑」 中小企業人材集めの切り札

2017年5月23日 08:17

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 若者の就職支援に取り組むHRPは、2016年から新宿区より29歳以下の若者と区内の中小企業のマッチングを支援する事業「U29就職マッチング支援事業」を受託している。5月12日に、事業の中心的メディアである求人サイト「新宿区U29しごと図鑑」をリニューアルした。

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 昨今、新卒・中途の求人倍率は右肩上がり。大企業もあの手この手を使い人材集めに躍起になっているが、中小企業は自社の魅力を訴求する場が少ないために苦戦しているのが現状だ。

 そこでその課題を解決すべく「新宿区U29しごと図鑑」は、新宿区内の中小企業1社1社に丁寧な取材を行い、企業・若者間の「雇用のミスマッチ」を防ぎ、企業理解が促進されるように若者が知りたいことを記事化している。今回のリニューアルでは、充実したコンテンツをよりわかりやすく届けるため、サイト全体のレイアウト・デザインをシンプルに見直し、求人内容の充実を図っている。

 実際に筆者が新宿区U29しごと図鑑のサイトへアクセスしてみた。シンプルな作りで各企業のアピールポイントが一目瞭然となっていると感じた。若者が職を探す時には、ハローワークや求人誌・求人サイトなどで探すことが多いが、求人票からその企業の全貌・詳細を掴むことは難しい。U29しごと図鑑は募集企業も多種多様で、応募者の興味・ニーズに対応できると思った。現状は新宿区だけだが、他の区、他の自治体でもトライ可能な、新たな求人メディアとしての可能性があると大いに感じた。

 「U29就職マッチング支援事業」では、引き続き求人サイト「新宿区U29しごと図鑑」の運営や、新宿区内企業と29歳以下の若者のマッチングを促進する合同企業面談会、イベントを実施していくそうだ。さらに、就活生の保護者に向けた「保護者向けセミナー」なども開催し、新宿で働く若者を増やしていく。世の中が何を求めているかトレンドを敏感に察知し、実行に移していく姿勢には脱帽だ。

 新宿区U29しごと図鑑は、若者を欲しいと思って企業と、働き場所を求めている若者をつなぐブリッヂ(架け橋)になることだろう。現在大企業と言われている会社も最初は中小企業だったはずだ。若者の働き次第で、企業をより大きくすることも可能だ。中小企業求人には夢とロマンが詰まっているのだ。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る

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