トレンドは摩耗強度?青山商事、擦れに強い「夏スーツ」を開発

2017年5月12日 18:41

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コーデュラ コンバットウールスーツ清涼企画(青山商事の発表資料より)

コーデュラ コンバットウールスーツ清涼企画(青山商事の発表資料より)[写真拡大]

 青山商事は抜群の摩耗強度を誇る夏スーツを開発した。近年のトレンドである「清涼」、「ウォッシャブル」という夏場の快適機能を維持しながら、動作性と耐久性にも優れたビジネススーツを展開する。2016年に発売した「コンバットウール」素材を使用したビジネススーツは、自転車通勤のビジネスパーソンを中心に大反響。優れた摩耗強度と引き裂き強度が好評を博した。今回はその強度をバージョンアップさせつつ、薄く通気性のよい生地にも改良。夏場でも快適に着用できるようにした。

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 「コンバットウール」は瀧定名古屋が開発。一般的なウール織物と比較すると、摩耗強度6.7倍、引っ張り強度2倍、引き裂き強度1.5倍と薄くて軽い生地ながら抜群な強度を誇る。「ウォッシャブル」により洗濯機での丸洗いも可能である。

 販売は、機能性ビジネスアイテムに特化した青山商事の新業態「ネクストブルー」全店、および「オンラインショップ」で行う。「洋服の青山」、「ザ・スーツカンパニー」に続く第3の事業である「ネクストブルー」は30代のビジネスパーソンをターゲットに、郊外駅前のSCなど商業施設を中心に展開。トレンドを押さえながらも着用感も求めるビジネスパーソンの要望に応えてきた。ウィメンズの売り場比率も高めることで、女性のための軽快なオフィスウェアにも注力している。

 近年の自転車ブームはビジネスパーソンにも浸透。大手ブランドからスーツ専門商社まで数多くのバイシクルスーツが販売されてきた。トレンドは「軽量」と「耐久性」。昨今はビジネスリュックの着用もメンズを中心に人気で、肩の擦れ具合などからスーツの摩耗強度の需要が一段と高まっている。

 青山商事は事業の多角化も顕著である。大創産業や物語コーポレーションなどへのフランチャイズに加盟、カジュアル衣料販売の「リーバイスストア」、靴修理、鍵修復の「ミスターミニッツ」も傘下にある。国内ではトレンドであるアクティブビジネスアイテムを強化しつつ、既に海外で実績ある「ミスターミニッツ」を足場に海外市場の開拓も視野に入れている。

 多角化の背景にあるのは、スーツのみの専業事業では存続できない危機感だ。団塊世代の大量退職、クールビズの浸透はここ10年で紳士スーツ市場を3割縮小させた。アオキやコナカという紳士服大手も飲食業など新規事業へ参入しており、脱「スーツ」に舵を切っている紳士服業界の動きは今後も目が離せない。

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