ドル・円為替、4月21日の動きとポイント

2017年4月21日 11:18

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朝鮮半島の地政学リスクの他、英国の総選挙やフランスの大統領選によるリスクが薄まっている中、ドル買いの傾向が強くなっている。21日3:00(すべて日本時間)ごろには1ドル109円49銭までのドル高をつけた。アメリカで発表された経済指標がドル買いに拍車をかけたのだろうか。

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 4月20日16:00時点では1ドル108円72銭だった。20:40にカプラン・ダラス連銀総裁が「今年3回の利上げは引き続き有効である」とのコメントを発表。21:40にはパウエルFRB理事が「アメリカ経済は完全雇用に近い状態である」とのコメントを発表した。

 21:30に新規失業保険申請件数が発表され、24.4万人と予想の24万人や前回の23.4万人より悪化していることが判明。さらに4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が22.0と予想の25.5、3月の32.8よりも下回っていた。発表された指数への嫌気からドルは売られたが、要人発言による期待感からドル買いの動きも強まった。23:00には3月景気先行指数が発表され前月比+0.4%と、予想の+0.2%を上回った。こちらはドル買いの大きな材料となったようである。1ドル109円01銭から1ドル109円45銭までドルは伸ばした。

 下げ渋らなかったのは21日2:40ごろムニューシン財務長官の「大型の税制改革の推進が近づいてきた」というコメントが発表されたためである。ドル高の傾向が継続している。

 本日のアメリカでの主要イベントは、

 21:30 ゼネラルエレクトリックの第1四半期決算
 22:30 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の講演
 23:00 3月中古住宅販売件数

 どちらかというと週末の状況を静観する動きになるだろう。

 G20財務省・中央銀行総裁会議やIMF世界銀行春季会合、そしてフランス大統領選など注目すべきイベントは多い。朝鮮半島の問題もそろそろ動きがあるのではないかと言われているだけに目が離せない。来週はこれらのイベントの影響を受け、為替相場は大きな変動をする可能性もある。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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