Google、ファクトチェックを全世界に拡大、検索表示順には言及なし

2017年4月9日 22:02

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ファクトチェックの表示例(英語版)(Google公式ブログの発表資料より)

ファクトチェックの表示例(英語版)(Google公式ブログの発表資料より)[写真拡大]

 米Googleは現地時間7日、ファクトチェック(事実検証)を全世界で実施すると、ブログを通じて発表した。チェックが行われた記事には「ファクトチェック」のラベルと正誤結果が表示される。正誤結果が、Google検索の表示順位に影響を与えるかどうかについての言及はなかった。

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 ラベルの表示対象は、GoogleニュースとGoogle検索の結果となる。Googleのヘルプページによると、「正しい」「誤りである」「それ以外である(部分的に正しい)」という3つのパターンによって示されるという。昨年10月にはすでに一部の国で行われており、英語表記ではラベルを確認できる。しかし日本での表示詳細については現段階では不明だ。

 ファクトチェックはGoogleではなく、第三者機関によって行われる。また正誤結果の正確性について、Googleが保証するわけではない。今回の全世界での実施にあたり、ファクトチェック専門機関など115の団体が協力をしている。

 検索結果のページには、「検証対象となった主張」「主張者」「検証者の名前」のほか、どのような情報をもとに結論に至ったかを示す「検証の概要」が表示される。1つの記事に対して、複数の機関がファクトチェックを行う可能性があり、正誤についてそれぞれ異なる結果を出すこともあり得る。Googleとしては、どの機関がどのような情報に基づいて判断を下したかをそのまま示すことで、ユーザーが判断を下す材料となれば、と考えている。

 昨年の米大統領選の際に、GoogleやFacebookは誤った情報を拡散し、選挙結果に影響を与えたとして非難を浴びていた。今回のファクトチェックの最大の目的は、フェイクニュースの排除にあるようだ。

 Googleはすべての検索結果がファクトチェックの対象となるわけではないとしている。今後の普及の状況によっては、Googleの検索の表示順位に影響を与える可能性は十分に考えられる。いずれにせよ情報の正確性が重要視される大きな流れは間違いない。(記事:高橋珠実・記事一覧を見る

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