TVで「国宝級」とされた茶碗を奈良大が分析、近年の化学顔料検出されず

2017年3月3日 16:51

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 TV番組「開運!なんでも鑑定団」に、これまで世界で3点しか現存していないと言われていた「曜変天目茶碗」と見られる茶碗が登場、骨董鑑定士によって本物の曜変天目と鑑定された。しかし、別の専門家はこの茶碗について「偽物だ」と主張、真偽を巡って騒動になっていたが、奈良大学がこの茶碗に対し蛍光X線分析装置を使った分析を行ったという(徳島新聞奈良大学の発表)。

 この茶碗が偽物だと主張する専門家は「最近作られた、化学顔料を使った中国製の模倣品」と主張しているが、奈良大学の調査では使われた釉薬は1種類だったことが判明、19世紀以降に開発された化学顔料(化学的に合成されて作られた合成無機顔料のことと思われる)はほぼ検出されなかったという。この結果に対しても件の専門家は「器の洗浄が行われていない」「分析方法に疑念も残る」などとして納得していない模様。

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