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集落営農の組織数、2016年は1万5134に、05年の約1.5倍
農林水産省は19日、「平成28年集落営農実態調査報告書」を発表した。それによると、2016年時点での集落営農数は1万5,134となり、前年に比べ281(1.9%)増となった。
集落営農とは集落を単位として農産物の生産工程の全部または一部について共同で取り組む組織のことで、農村の高齢化、後継者不足の問題を解消できる方法として、現在注目を集めている。地域別にみると、東北が3,434と最も多く、次いで九州(2,510)、北陸(2,389)となっている。
集落営農実態調査は、統一的な基準により集落営農数およびその取り組み状況を把握するべく、農水省が毎年2月1日に行っている。今回確報を行った2016年2月1日現在の数字は、同年3月29日に速報値を公表していた。調査対象は全国の市区町村で、集落営農の組織形態、構成員数、経営規模、活動内容、経理状況などが調査項目。調査方法は、調査対象者に調査票を郵送により配布し、政府統計共同利用システムのオンライン調査システム、郵送又はファクシミリにより回収するというもの。
報告書によると、集落営農数は2005年の調査時は1万63で、2016年までに約1.5倍へと増加している。また法人の集落営農数は2016年時点で4,217となり、前年に比べて595(16.4%)の増加となっている。
地域で集落営農化を行い、さらにそれを法人化することで、「農地の権利設定ができる」、「取引信用力の向上」、「人材の雇用ができ組織の継続性を図れる」など様々なメリットがある。
一方でデメリットもある。もし集落営農が上手くいかず破綻した場合、参加した農家が平等にその損失負担を負うことになるのだ。また農業機械とそれを保管する倉庫等の設備投資に掛かる費用は参加者が共同分担することになるため、集落営農化によって大きな出費を迫られる農家も出てくるだろう。
現在農水省は地方の農村の集落営農化、法人化に力をいれており、「農業者戸別所得補償制度推進事業」に基づき、集落営農が法人化した場合に1法人当たり40万円助成したり、集落営農に関する研修会等の開催経費を助成する、といった支援を行っている。これ以外にも、集落営農化とその法人化については、様々な国の支援を受けることが可能だ。国を挙げて推進していることもあり、集落営農の数は今後さらに増えていくと予想される。(記事:荒川・記事一覧を見る)
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