太陽電池パネル敷き詰めた世界初の道路がフランスで開通

2016年12月27日 16:45

印刷

記事提供元:スラド

headless曰く、 世界初だという太陽電池パネルを敷き詰めた道路が22日、フランス・ノルマンディー地方の小さな村、トゥルーブル・オー・ペルシュに開通した(プレスリリース:PDFArs TechnicaGuardianThe Verge)。

 この「Wattway」と呼ばれる道路はスラドでも以前話題になった1,000kmにわたる太陽電池発電道路計画の試験段階となるもので、今後2年間の試験期間を通じて耐久性や予期した通りの出力が得られるかどうかなどを検証する。Wattwayを開発・設置したColasでは、フランス国内4か所の駐車場でテストを行っているが、一般車両が通行する道路に設置するのは初めてとのこと。

 今回開通したWattwayは2車線道路の1車線分1kmの区間で、合計2,880m2の太陽電池パネルが敷き詰められており、年間280MWhの発電を見込む。1日平均の発電量は767kWhだが、夏のピーク時には1,500kWhに達するという。Wattwayの太陽電池パネルは薄型で柔軟性があり、既存の道路に直接貼り付けて使用できる。

 開通式を行った環境・エネルギー・海洋大臣のセゴレーヌ・ロワイヤル氏は、フランス国内の道路1,000kmごとに1kmのWattway区間を設置したいとの考えを示している(フランス国内の道路の総延長は100万kmとのことで、合計1,000kmになる)。しかし、道路面に水平設置するWattwayは太陽に向けて設置するのと比べて効率が低い。フランス北西部のノルマンディー地方は年間の日照時間も短く、1kmで500万ユーロという費用もあって、再生可能エネルギーの開発においてWattwayよりも優先すべき事項があるといった批判も出ているようだ。

 スラドのコメントを読む | ハードウェアセクション | 地球 | ハードウェア | EU | 電力 | スラッシュバック | 交通

 関連ストーリー:
太陽電池で半永久的に稼働するx86マイコン 2016年06月28日
太陽光発電施設の急増によりトラブルも急増 2016年04月02日
道路に太陽電池を埋め込む計画、フランスで進められる 2016年02月05日
ソーラーパネルの反射光が自宅に入るために熱中症になったとして発電会社が提訴される 2015年09月14日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事