特定の脳活動に報酬で、知覚した物事に対する「確信度」を操作

2016年12月20日 17:01

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 情報通信研究機構(NICT)らが、「自己意識を本人が無自覚のうちに変容できるニューロフィードバック技術の開発」なる発表を行っている。タイトルだけ見ると意味が分からないが、特定の脳活動に対して報酬を与えることで、その人が知覚した物事に対する「確信度」を操作するという研究のようだ。

 人間は物事を知覚した際に、その「確信度」によって異なる脳活動を行うという。この脳活動を外部から観測し、「確信度を下げたい」場合には確信度が低い脳活動に対し報酬を、「確信度を上げたい」場合は確信度が高い脳活動に対し報酬を与えることで、確信度を誘導できることが分かったという。なお、実験は10人の被験者に対し行われ、報酬は金銭で与えられたという。また、被験者はこのような「確信度の操作」が行われていることには無自覚だったという。

 この研究結果は精神疾患等の治療に有用であるいっぽう、洗脳などに使われる可能性もあるようだ。

 NICTは以前にも同様の報酬を使った「つらい経験の記憶を無意識のうちに消去できる」という技術を開発したことを発表していた。

 スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス | 医療

 関連ストーリー:
NICT、「つらい経験の記憶を無意識のうちに消去できる」という技術を開発 2016年11月30日
犬も言葉の内容を左脳で、抑揚を右脳で把握している 2016年09月05日
メチレンブルーで記憶能力が上がる? 2016年07月01日
脳の前障に電気刺激を与えると意識を失うことが発見される 2014年07月09日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事