サッポロ、2011年ヴィンテージの貴腐ワインを285本限定販売 価格3万円

2016年11月29日 19:40

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サッポロビールから発売される「グランポレール長野古里ぶどう園貴腐2011」。(写真:サッポロビール社発表資料より)

サッポロビールから発売される「グランポレール長野古里ぶどう園貴腐2011」。(写真:サッポロビール社発表資料より)[写真拡大]

  • 貴腐状態のブドウ。(写真:Simon Bonaventure/flickr)

 サッポロビールは、2011年の貴腐ブドウから醸造した貴腐ワイン「グランポレール長野古里ぶどう園貴腐2011」を、29日より全国で発売する。750ミリリットル瓶入り、特製桐箱付き、限定生産本数285本。アルコール度数は10%で、参考小売価格は3万円(税抜)。

 貴腐ワインはただの高級ワインではない。普通のワインとは、製法、醸造の化学的機序がかなり異なる。ごく簡単にいうと、ブドウの果汁を発酵させたものが通常のワインであるが、カビが生えて腐ったブドウの果汁を発酵させたものが貴腐ワインである。

 もちろん、ただ腐ったブドウだというだけでは貴腐ワインは造れない。ある程度限られた品種のブドウに、特定の種類のカビが生え、一定の(かなり厳しい)環境条件のもとで生育すると、カビが果皮を溶かし、水分を蒸発させ、糖をはじめとする様々な成分の濃度を高める。この状態を貴腐という。貴腐とは、「高貴なる腐敗」という意味である。

 貴腐は通常、ブドウを収穫せず、果樹に残したままで進行させる。それゆえ貴腐ブドウは収穫するまでに時間がかかる。サッポロも2011年の収穫をぎりぎりまで遅らせ、平均糖度42度という非常に高い値まで貴腐を進めたという。

 貴腐ワインの製造に必要な環境条件を満たすことのできるワイン産地は世界でも数えるほどしかないのだが、今回発売されるワインが造られた長野は、知る人ぞ知るその産地の一つである。

 気になるお味はというと、濃厚で奥深く、甘い。香りは蜂蜜のようである。また、色も通常のワインの赤や白やロゼと異なり、よく「黄金色の輝き」と形容される高貴な色彩を持つ。

 「グランポレール長野古里ぶどう園貴腐2011」は、収穫したリースリング種100%の貴腐ブドウを樽詰めし、5年に渡る熟成を経てようやく出荷の運びとなった、グランポレールが誇る最高峰のワインである。かつてジョージ・ワシントンやロシアの皇帝たちにも愛されたという至高の味わいを、記念日の祝いの席など、特別なひとときの伴侶としてみては如何だろうか。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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