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住友理工、売上・営業利益は計画通り、純利益は計画2倍、16年4~9月期
■海外は販売量は増えたが売上は円高で目減り
10月27日、住友理工<5191>の2016年4~9月期(第2四半期/中間期)決算が発表された。業績は、売上高は2010.4億円で前年同期比3.4%減、営業利益は50.7億円で4.1%増、税引前利益は49.0億円で8.2%増、四半期利益は31.3億円で57.3%増、最終四半期利益は21.6億円で104.2%増(約2倍)。減収、最終2ケタ増益で、最終利益の2017年3月期の通期業績見通しに対する進捗率は48.2%。中間配当は前年同期と同じ9円とした。
4~9月期の四半期純利益の当初見通しは10億円で前年同期比5.8%の最終減益だったが、実際は約2倍の最終増益で着地している。当初予想を大きく上回った要因は税務上の理由で、中国・アジア地域を中心に低税率国での業績が好調だったこと、日独租税条約の改正で繰延税金負債の取り崩しを行ったことが挙げられている。売上高、営業利益は為替の円高の影響が出たものの国内も海外も販売は堅調で、ほぼ計画通り。税引前利益、四半期利益は当初計画を下回った。
事業セグメント別の業績は、自動車用品部門の売上高は前年同期比4%減の1725億円、事業利益は20%増の49億円で減収、2ケタ増益。国内市場は軽自動車の販売減、熊本地震の影響が出たが、海外市場は北米、中国、アジア地域で販売量は前年同期を上回った。しかし金額ベースでは為替の円高のために円換算では目減りし、売上高は前年同期の実績を下回っている。
一般産業用品部門の売上高は前年同期比3%増の286億円、事業利益は92%減の1億円で増収、大幅減益だった。住宅部門では国内市場での需要増加を受けて地震対策用制震ダンパーの売上が伸び、鉄道車両用防振ゴムも堅調に推移した。建設・土木機械向け高圧ホースは中国の公共事業の復調で販売量に回復の兆しが出ている。プリンター向け機能部品など事務機器向け精密部品分野は低迷し前年同期の実績を下回った。
地域別の売上高と事業利益は、日本が前年同期比で増収減益、アメリカが減収減益、アジアが減収増益、ヨーロッパその他が減収増益となっている。
■円高が予想以上に進み通期見通しを下方修正
2017年3月期の通期業績見通しについては、4~9月期の業績、事業を取り巻く環境、為替動向などを勘案し再計算した結果、下方修正を行っている。その主な原因は当初、ドル円を110円、ユーロ円を120円と見込んでいた為替レートで、円高が予想以上に進行している点にある。
売上高は当初見通しから100億円減の4000億円で前期比3.4%減から5.8%減に、営業利益は15億円減の120億円で4.9%増から6.7%減に、税引前利益は15億円減の110億円で5.1%増から7.5%減に、当期利益は5億円減の65億円で39.2%増から29.3%増に、最終当期利益は5億円減の45億円で72.4%増から55.1%増に、それぞれ修正した。
営業利益と税引前利益が増益から減益に変わったが、最終利益の大幅増益という見通しは変わらない。前期比1円増配で10円の予想期末配当も、1円増配で19円の予想年間配当も、修正していない。
住友理工は5月23日に、2020年度を最終年度とする中期経営計画「2020年住友理工グループVision(2020V)」を発表している。「自動車」「インフラ」「エレクトロニクス」「住環境・健康介護」の4分野に注力し、「着実な成長と体質強化」による収益力の向上を推進する。
8月、中期経営計画の「新規顧客開拓」を推進する目的で愛知県の小牧製作所内に「自動車新商品開発センター」を新設し、既存製品の枠組みを超えて自動車用の新製品を開発する体制を整えた。高分子材料など技術のコアコンピタンスを開発初期段階から応用して、特に高機能製品における提案型での開発・製品化をよりスピーディーに行って、事業展開のさらなる加速を目指している。
10月、山形県米沢市にある住理工山形の新工場で自動車用防振ゴムの製造ラインの一部が稼働を開始し、宮城県のトヨタ自動車東日本をはじめ東北、北関東に所在するメーカーの製造拠点に対し迅速で効率的な製品供給を行う体制を整えた。2018年度に約30億円の売上を目指している。これで自動車部品の国内供給拠点は中部、九州、東北の3ヵ所になった。
海外事業では2017年2月にメキシコで新工場が稼働を開始する予定で、グループ会社間で協力して非日系自動車メーカーへの営業推進や、鉄道用防振ゴムなどでの新規顧客開拓の取り組みを始めている。(編集担当:寺尾淳)
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