サルバム 2017春夏コレクション - 即興演奏は洋服の力強さとなる

2016年10月25日 17:53

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記事提供元:ファッションプレス

 サルバム(sulvam)が2017年春夏コレクションを2016年10月22日(土)に東京・渋谷ヒカリエで発表した。

 アップテンポのランウェイは、観客を一気に飲み込んだ。モデルたちは、全員が小走りほどの速いスピードで颯爽と歩いていく。

 緩いジャケットにパンツ、粗めに編まれたニットを赤と黒で表現した力強いルックがスタート。袖の縫い方も荒く、本来内側になるはずの断切り面が露わになっている。続くセットアップは、白い糸が飛び出していてシーチングのような粗目の素材が裏地として採用されている。脆いシャツは、縫い目がずらされていて、掛け違えたボタンによってそのジャケットにふさわしい“くしゃくしゃ”としたフォルムだ。

 アウターのライナーは、本来は一体化しているはずなのにあえてレイヤードの仕立てになっていて、早いスピードがマッチしている。風は躍動感の味方だ。“袖があるのに袖のない服”を揺らし、大きくスリットの入ったワンピースを靡かせた。

 縫製すべきところを安全ピンでとめた荒々しさは、縫い代をわざと外に出す豪快なディテールよりも、さらに雑多なイメージを与える。滑らかなベロアからローゲージのニットまで、あらゆる素材からなるルーズな洋服の装飾品としても役目を果たした。また、それと同時にパンクなイメージも連想させ、ボンテージパンツや縛ったベルトと相互作用を生んでいたようだ。

 こんなに荒々しくも力強いワードローブがなぜ完成したのか。それはおそらくブランド名でもあるサルバム(=即興演奏)が答えなのかもしれない。パターンをひく時も、縫製をするときも、服作りの過程で一瞬の感情を、純粋にぶつけた洋服。それが今回のコレクションではより顕著に表れていたように思う。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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