ロボットの社会実装に向けたプロジェクト始動

2016年10月4日 09:26

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記事提供元:エコノミックニュース

リアルなユーザーの近くで実績を積み、ロボットが社会において活躍するための技術向上はもちろん、法規面での課題の洗い出しも目的の一つである。

リアルなユーザーの近くで実績を積み、ロボットが社会において活躍するための技術向上はもちろん、法規面での課題の洗い出しも目的の一つである。[写真拡大]

 羽田空港を管理・運営する日本空港ビルディング<9706>は「羽田空港ロボット実験プロジェクト 2016」を実施。9月20日より第1期参加事業者の公募を開始した。このプロジェクトはロボットの技術検証を目的に設置された「Haneda Robotics Lab(ハネダ ロボティクス ラボ)」を中心にロボット製品の実験導入を行うものである。なお、このプロジェクトは政府の進める「改革 2020」プロジェクトの実現に向けた取り組みとして国土交通省、経済産業省と連携して実施される。

 羽田空港内では20年の東京オリンピックに向けてサービスや利用者満足度の向上が求められているが日本における労働生産人口は減少が予想されており、様々な問題を解決するためにはロボット技術の導入が不可欠だった。ロボット技術を社会のあらゆる場所で実装させるためには、事業者や研究機関がより生活空間に近い場所でユーザーテストを積み重ねる必要がある。その場として年間7500万人以上の利用がある羽田空港は最適である。

 ロボットテクノロジーに関して、ユーザーに近い場所で実験を繰り返すことは技術の向上だけに繋がるものではない。一昔前までは漫画の世界のものだったロボットテクノロジーも、技術面ではだいぶ実現しているものも多い。しかし、その技術を実際に社会で活躍させるためには法律の制約をクリアすることが必要だ。そのためにも、実績を積んで法規的な面の課題も洗い出しが求められるのである。また、実際に利用されるロボットが広く認知されることで日本社会全体のロボットテクノロジーへの認識も変わってくるだろう。

 現在の日本では、介護、交通、福祉などロボット技術の活躍が期待されている業界も多い。しかし、ロボットが日常生活で活躍する社会にはメリットもデメリットもあるだろう。このプロジェクトでは、よりリアルな環境でロボット技術を活用することにより今後の社会に及ぼす具体的な影響を把握することも求められる。(編集担当:久保田雄城)

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