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中高生が開発者に? IoTがどんどん身近になっている
近年、IT、ビジネス業界における大きなキーワードとして注目されている「モノのインターネット」ことIoT(Internet of Things)。IT専門調査会社IDCによると、2014年に約6500億ドルだった世界のIoT市場規模は、2020年には倍以上の1.7兆ドル規模にまで成長すると予測している。そんな中、企業だけでなく個人や学校教育の場などでもIoTデバイスの製作に取り組む動きが増えてきているようだ。
2016年9月14日、日本IBMは、千葉大学教育学部、静岡大学教育学部を基盤として活動するNPO法人の企業教育研究会と共同で、IoTを題材とした中高生向け授業プログラム「キミのアイディアで社会が変わる!?あらゆるモノが インターネットにつながる、IoTって? 」を開発し、公立学校向けに提供すると発表した。同プログラムでは、冒頭で少女のキャラクター「アイコ」を使った映像をプロジェクターに映してナビゲートするなど、基礎知識がない中学生や高校生もIoTに興味を持ちやすいように工夫が凝らされている。しかも、内容の説明だけでなく、アイコが生徒の呼びかけに反応したりすることで知らず知らずのうちにIoTを体験することができるという。
また、ソフトウェア会社のオラクルも、同社のクラウド開発者向けユーザーコミュニティ「Oracle Cloud Developers」において、データベースアプリケーション開発ツールOracle APEX(Oracle Application Express)を使用して、Raspberry Pi (ラズベリーパイ)を使ったIoTデバイスで土壌の湿度を監視し、グラフ化するシステムを試作するハンズオン展示を8月に開催している。土壌湿度センサー搭載のIoTデバイスを通し、LINEを介して畑とリアルタイムに会話を試みるなど、実用的かつユニークなデモで話題を呼んだ。
このような盛り上がりを見せるIoT市場において、重要となってくるのが、IoTデバイスの脳みそともいえる小型のコンピュータ基板マイコンボードだ。最近は、基本機能や通信機能までもが盛り込まれたワンチップマイコンボードが簡単に入手できるので、開発者も随分便利になった。代表的なものとしてはArduinoなどが挙げられるが、このたび、日本の電子部品メーカーであるロームグループのラピスセミコンダクタが、そのArduino比99.98%減の待機電流(約7µA)を実現したSDカードサイズ大のマイコンボード「Lazurite Mini」シリーズの販売を開始して大きな注目を集めている。
同製品は同社が製造する16bitローパワーマイコ ンと920MHz帯域無線通信LSI、無線アンテナをベースに、「さらに劇的な小型化実現」をコンセプトに開発されたもので、既存製品より80%のサイズダウンに成功。業界最小サイズを実現したという。さらに、驚くべきことに単三電池3本で10年以上動作することが可能となっているため、バッテリー駆動のIoT機器に最適な仕様となっている。「モノづくり」の需要が社会的に高まっている中、無線通信ボードに関しては小型化や長寿命化を求める声が上がっていたが、まさにそれらの要求を一気に満たせる製品と言えよう。
チップワンストップやザイコストアなどのネット商社で1個から簡単に購入できることも、ユーザーの電子工作心を駆り立てることは間違いないであろう。
前述の日本IBMの授業プログラムでは、トライアルを行った際、筋金入りのプロであるIBM社員も唸るほどのIoTデバイス活用アイディアが学生から多数提案されたという。今後、これらの教育環境や、開発環境が進めば、日本経済にも多大な利益をもたらすのは間違いないだろう。IoTがもたらす未来に期待が高まる。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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