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コンピューターミュージック世界最古の録音が復元される
headless 曰く、 世界最古となるコンピューターミュージックの録音がニュージーランド・カンタベリー大学の研究者によって復元された(British Library — Sound and vision blog、カンタベリー大学のニュース記事、Guardian、SoundCloud — First ever recording of computer music)。
復元されたコンピューターミュージックは英国・マンチェスター大学のComputing Science Laboratoryで、アラン・チューリングのアイディアにより開発された巨大コンピューターが1951年に演奏したもの。BBCのロケチームがダイレクトカッティングによりアセテートディスクに録音されているが、ピッチが間違っており、2008年に発見された際にはコンピューターがこんな音を出していたということがわかる程度のものだったという。
マンチェスター大学のコンピューターはラウドスピーカーにパルスを送るインストラクションを備えていた。パルスはクリック音として再生されるが、チューリングはインストラクションをコンピューターの内部クロックの数クロックごとに繰り返し実行すると楽音として聞こえることに気付く。たとえば、4クロックに1回でC6(ミドルCの2オクターブ上)、8クロックに1回でC5といった感じだ。しかし、チューリングは音楽を演奏することにはあまり興味を示さず、音程を変えてコンピューター内部の状況通知用に使用していたとのこと。
その後、チューリングが書いた世界初のプログラミングマニュアル「Programmer's Handbook for Manchester Electronic Computer Mark II」を当時学校教師だったクリストファー・ストレイチーが入手。ピアニストとしても才能があったストレイチーは、音楽を演奏させるためにコンピューターを使わせてほしいとチューリングを訪ねる。チューリングからコンピューターの使い方について説明を受けた後、ストレイチーは一晩かけて「God Save the King」をプログラムしたそうだ。翌朝演奏を聴いたチューリングは「素晴らしいショーだ」との感想を述べたという。
研究者は録音時の回転数を計算して再生ピッチを補正し、ノイズを除去したほか、ピッチの揺れを補正するソフトウェアを使用して当時の音声を再現したとのこと。復元された録音では「God Save the King」のほか、「Baa Baa Black Sheep」とグレン・ミラーの「In The Mood」の一節を聴くことができる。
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