相対性理論を応用した標高差の精密測量に成功

2016年8月17日 18:39

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 東京大学らの研究チームが、相対性理論を応用して2つの場所の標高差を精密に測ることに成功したと発表した(NHK共同発表)。

 今回行われた測定手法は、「光格子時計」と呼ばれる原子時計を標高差を測定したい2地点に設置し、それらを比較するというもの。標高が低い方の時計は地球の重力の影響を受け、わずかながらゆっくりと時を刻むという。そのため、両方の時計が計測する時刻の差を測定することで、標高差を測定できるという。

 実験では東京都文京区の東京大学に1台、埼玉県和光市の理化学研究所(理研)に2台の光格子時計を設置し振動数を比較したところ、理研に設置された光格子時計の振り子の振動数は1×10-18だったいっぽう、東大の光格子時計は1652.9×10-18だけゆっくり振動したのが確認された。ここから、2地点の標高差1516cmが算出できたとのこと。これは国土地理院による水準測量と5cmの誤差範囲内で一致する値だという。

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