EU離脱のイギリス。今後鍵を握る「リスボン条約約50条」

2016年6月30日 07:33

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記事提供元:エコノミックニュース

 6月24日、イギリスの欧州連合(EU)離脱が国民投票で決定した。終わってみればイギリス国民はEU離脱に投票したことを後悔しているという人が多く、インターネットでは再投票を求める署名が360万を超えているという。イギリスでは署名の数が10万を超える請願については議会が検討する決まりがあるが、キャメロン首相は、「2度目の国民投票はない」と宣言している。キャメロンは離脱へ向けた準備組織を設置し、作業に入るとしている。現状ではイギリスはEU離脱の道を歩まなければならない。

 28カ国で構成されるEU離脱する国は初めて、過去に前例がない。どのようにことが進むのか曖昧模糊とした状態だ。今後は、離脱手続きを定めた「リスボン条約 50条」が鍵を握るとされている。

 リスボン条約50条によると、まずはイギリスがEUに離脱を通知することで交渉が始まる。だが、イギリスのキャメロン首相に離脱宣言を問うと「いまはその時期・段階でない。離脱交渉は9月以降」という。逆に、EUから脱退の有無を聞かれ話がまとまらない・脱退協定を締結できない場合、2年後に自動的に離脱になるという。

 他の国の離脱連鎖を避けたいEU側はなるべく早く騒動の沈静化を目指しているが、イギリスはより有利な条件で離脱したい考えのようだ。イギリスのキャメロン首相は辞意を表明している。今後新しい首相が決定し、正式に離脱表明してから離脱のストップウオッチが動き出す。今後、イギリスとEUはリスボン条約50条を巡って綱引き状態が続く。(編集担当:久保友宏)

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