全館まるごと“クールジャパン” 三越伊勢丹HDがマレーシアのクアラルンプール店を全面改装

2016年6月8日 11:19

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記事提供元:アパレルウェブ


太田伸之クールジャパン機構社長(左)と、大西洋三越伊勢丹HD社長

 三越伊勢丹ホールディングス(大西洋社長)が、マレーシアのクアラルンプール伊勢丹LOT10店を全館改装し、「ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur(イセタン ザ ジャパン ストア クアラルンプール)」として2016年10月末にオープンする。クールジャパン機構との共同出資によるもので、物販にとどまらず、ライフスタイルやテクノロジー、接客などを含め、全館で“クールジャパン”を体感できる施設を目指す。投資額は600万マレーシアリンギット(=約1億5,800万円)。改装後の初年度売上高は、1億2,500万マレーシアリンギット(=約33億円)を計画。140万人の来店を見込む。

 新店舗開業にあたり、三越伊勢丹グループの現地法人とクールジャパン機構が共同出資会社を設立した。出資比率は、三越伊勢丹グループが51%、クールジャパン機構が49%。新店舗は、地上5階までの6層構造で、店舗面積は約1万1,000平米。

 品揃えやフロア全体を通して、「“雅・粋・繊(繊細)・素(素材・自然)”という4つの日本人の美意識を伝えたい」といい、食品から衣料品、服飾雑貨、美術工芸、インテリア関連まで、9割以上を日本ブランドで構成した。200を超えるブランドがマレーシア初進出となる。マレーシアでは初の自主編集書店や、茶道や華道が学べる和室アカデミー、3Dプリンターなど日本の最新技術やカルチャーを体験できるワークショップスペースなども設置。各フロアには、米国など海外での接客や日本の礼儀作法などを学んだ6人の日本人女性スタッフ「チームなでしこ」が常駐する。

 環境デザインは、伊勢丹新宿本店のリモデルも手がけた丹下憲孝氏と森田恭通氏が担当。東屋や番傘、竹林などの日本モチーフを随所に取り入れる。

 同社では、日本の伝統や技術を日本国内で発信するプロジェクト「イセタン ジャパン センスィズ(ISETAN JAPAN SENSES)」を2011年度から実施。大西社長は新店舗について、「日本の優れたものづくりを本格的に世界に発信する最初の店舗」として、「メイドインジャパンに特化した取り組みは数多くあるが、圧倒的にユニークな店にしたい。商圏はマレーシアだけではなく、世界。環境、空間、プロダクト、おもてなし全てを含めて日本の素晴らしさを伝えたい」と意気込みを語った。太田伸之クールジャパン機構社長は、「今やクアラルンプールでの高級車の数は、(米LAの高級住宅街である)ロデオドライブ以上。商圏として大きな可能性を感じている」とし、「全国各地の上質なブランドや高い技術を持った職人さんから多数お話をいただいている。新店舗でも、4分の1が地方のブランドだ。“地方から世界に”を具現化に披露できる初めての場所として、今からわくわくしている」と話した。

アンリアレイジやマメも参加 ファッション分野は総勢100ブランド

 ファッション分野は、衣料品や服飾雑貨などを含め約100ブランドを誘致する。現在、「アンリアレイジ」や「マメ」「ミキオサカベ」「マスターマインドジャパン」などのデザイナーズブランドをはじめ、スイーツをモチーフにしたアクセサリー「Q-ポット」やカスタマイズができるバッグ「newneu.」、光る靴として話題の「オルフェ」などの参加が決まっている。「日本の卓越したものづくりや文化、テクノロジーを具現化するトップブランドを集めた」と同社。マレーシアでは、メンズブランドの認知度がより高いといい、新店舗でも、ユニセックスの商品を多めに集積する計画だ。

 東京ファッションデザイナー協議会(CFD)議長やイッセミヤケ社長、松屋銀座役員などを歴任してきた太田氏は、「若い世代にとってチャンスの場を提供することに力を入れてきた。新しい店舗も、そうしたチャンスが得られる場所になってほしい」と期待を寄せた。


「ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur」のイメージ図。ファッション関連フロアには、日本の番傘をモチーフに取り入れた。



「オルフェ(orphe)」は、人間の動きを感知するモーションセンターの付いたシューズをスマホアプリで操作。テーマに沿った音楽や光を発する。


日本で長年親しまれている調味料なども。


日本独自の技術を用い、もちもちふわふわ食感を追求したパン

(アパレルウェブ編集部)

※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。

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