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超小型EVコミューター、ベンチャー企業「rimOnO」がプロトを公開
「乗り物から“No”をなくす」という意図が込め、プロトタイプは「誰もが安心して乗れる乗り物」をめざして製作した。「rimOnO」は当面、既存のミニカー規格に準拠した1人乗りモデルとして開発を進める計画だ[写真拡大]
株式会社rimOnO(リモノ)は5月20日、超小型電気自動車(マイクロEVコミューター)のプロトタイプを東京・原宿神宮前で発表した。企業「rimOnO」は、2014年9月、経済産業省OBで同社社長の伊藤慎介氏とトヨタ出身の工業デザイナーでznug design(ツナグデザイン)代表根津孝太氏が設立したベンチャー企業だ。
社名には「乗り物から“No”をなくす」という意図が込められ、プロトタイプは「誰もが安心して乗れる乗り物」をめざして製作したという。
発表となったマイクロEVは、布製ボディやモーターサイクルのバーハンドルを採用し、大手自動車メーカーが手がける既存の「超小型モビリティ」と一線を画するユニークなモデルだった。
「プロトタイプ01」と名づけられたクルマ特徴は小さなボディにある。全長×全幅×全高は2300×1000×1400mmほど。自転車のように気軽に移動に使える。乗車定員は大人2名(タンデム乗車)もしくは運転席に大人1名+後席に子ども2名の乗車を想定して製作した。
ボディは帝人フロンティア社が提供する汚れにくくUVカット機能を持ったテント生地で覆われる。つまり柔らかいボディを持ったクルマだ。ボディ骨格は金属と樹脂で構成されているが、その表面全体にテント用ファブリックでウレタン素材をくるんだクッションが貼り付けられている。このクッション性のあるウレタン材は、三井化学が素材提案、素材提供などで協力した。クッションそのものは、面ファスナーでボディに固定するので、簡単に取り外すことができ、着せ替えする愉しみも。車体の設計はドリームスデザインが手がけた。
また走行音はローランドがリモノ専用サウンドをデザインしている。この4社がリモノの「開発パートナー」として名を連ねているほか、クッションボディの縫製はビー・クラフトが担当した。
駆動用モーターは、後輪インホイールモーター2個採用する。2個で5kWの出力を持つ。重量は320kgだが、構造の見直しや樹脂素材のさらなる活用で200kg以下を目指しているという。航続距離は目標値50km。駆動用電池は4kW/hのコンパクトな交換型なので、予備電池を荷室に準備しておくことも出来そうだ。
ハンドルがステアリングではなくバーハンドルなのは「自転車に乗り馴れている人でも容易に運転できるため」だという。ブレーキも自転車と同様のレバー式だ。スクーターにあるような補助フットブレーキを追加することも検討中だとも。
伊藤代表は、欧州のマイクロカー規格「L6e」というカテゴリーの基準値をベースにした「日本版L6e制度」の導入を要望している。この基準は、最高速度45km/h、定員2名、エンジンの排気量は50cc以下、出力4kW以下。電動モーターは連続定格出力が4kWh以下。原付免許で運転が可能で、自動車免許はいらないという。
この新しい乗り物「rimOnO コンセプト」、当面は既存のミニカー規格に準拠した1人乗りモデルとして開発を進める計画だ。2017年夏ごろの市販化を目指す。補助金を除けば100万円程度の価格となりそうだという。この場合、運転には普通自動車免許が必要だ。同時進行で、2人乗りモデルの実証実験も自治体と協働で進める予定で話し合いが進んでいるとも。最終的な販売価格は40万円ほどを目指すという。(編集担当:吉田恒)
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