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16年のウェアラブルデバイス国内市場、前年比71.4%増の358万5000台の見込み
矢野経済研究所では、ウェアラブルデバイス世界市場の調査を実施した。調査期間は2015年9月~2016年3月、調査対象は携帯電話メーカー、ウェアラブル機器メーカー、ウェアラブルサービス事業者、通信事業者、国内半導体メーカー、海外 ODM/EMS 企業。調査方法は同社専門研究員による直接面談、展示会取材、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。
それによると、2015年のウェアラブルデバイス国内市場規模(メーカー出荷台数ベース)は 209万2,000 台だった。カテゴリ別ではスマートバンド140万 5,000台、スマートウォッチ61万5,000 台、スマートグラス3万9,000台、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)1万6,000台、その他1万7,000台であり、スマートバンドが市場をけん引している。
スマートバンドは健康志向の高まりを背景に日本でも人気が高まっているという。一部通信事業者でサービスを提供しており、利用者が増加傾向にある。またスマートバンドの価格は数千円台の製品が多く、気軽に購入できることも人気を後押ししている。スマートウォッチについては、大手スマートフォンメーカーの製品が発売された。販路が限定されたものの、高いファッション性を持ち、対応する同一メーカー製スマートフォンが広く普及していることもあり、堅調な販売を記録した。
2016年のウェアラブルデバイス国内市場規模(メーカー出荷台数べース)は 358万5,000台(前年比171.4%)の見込みであるとしている。カテゴリ別ではスマートバンド188万台(前年比133.8%)、スマートウォッチ140万5,000台(同 228.5%)、HMD20万1,000 台(同1256.3%)、スマートグラス5万4,000 台(同138.5%)、その他4万5,000台を見込んでいる。
スマートバンドについては、低価格モデルを中心に市場拡大を見込んでいる。スマートウォッチについては、スマートフォンメーカーや腕時計メーカーを中心に参入企業の増加が期待されている。スマートグラスについては依然として参入メーカーは一部に留まる見通しである。HMD は海外市場と同様に、スマートフォンと組み合わせて使う製品に加え、大手ゲーム機メーカーが VR(ヴァーチャルリアリティ)対応ゲームと併せてHMD製品の発売を計画しており、市場認知が急速に高まる見通しであるとしている。
2020年におけるウェアラブルデバイス国内市場規模(メーカー出荷台数ベース)は1,160 万台と予測している。カテゴリ別ではスマートウォッチ650万台、スマートバンド350万台、HMD80万台、スマートグラス30万台、その他50万台になると予測している。
スマートバンドは、今後、日常的に使用する習慣づけが出来るアプリケーション、サービスが伴っていかないと一過性のものとなってしまう可能性がある。スマートウォッチについては、腕時計と比較して耐用年数が低いとされており、プロダクトとしての信頼性の確立に加え、本来腕時計が持つ「嗜好品」としての価値に対してどのような付加価値を消費者にもたらすことが出来るかが、国内における市場拡大の大きな鍵になると考える。スマートグラスについては、参入メーカーが非常に少ないこともあり大きな成長は期待できない。一方で、HMD についてはスマートフォン、ゲーム機向けコンテンツの増加に伴い成長が期待されるとしている。(編集担当:慶尾六郎)
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