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実燃費とカタログ燃費に差がある理由とは
車を選ぶ時に重視する人が多いであろう「燃費」。ところが、燃費偽装問題が浮上し、該当する車でなくてもカタログの燃費値と実燃費値の差に疑問を抱く人が少なくない。[写真拡大]
車を選ぶ時に重視する人が多いであろう「燃費」。ところが、燃費偽装問題が浮上し、該当する車でなくてもカタログの燃費値と実燃費値の差に疑問を抱く人が少なくない。
そもそも、なぜ燃費がクローズアップされているのか。車の燃費性能はランニングコストを大きく左右する存在だが、環境にも大きな影響を与える。燃費の悪い車は大気をより汚染することから、世界的に「燃費制限」という形で燃費性能に優れた車を普及させる働きが活発化し、各メーカーはこれに対応すべく躍起になっているのだ。
そして日本には、燃費の良い車を優遇する税制度があり、ユーザーの燃費性能への関心が高まっているわけだが、実際の路上でカタログにあるような30km/Lや40km/Lといった燃費を体験する人は少ない。
というのも、燃費性能を数字で示すのは簡単なことではない。曲がり道、信号、坂道などがあり、常に平坦な道を一定に走っているわけではないからだ。曲がり道や信号などで加速と減速を繰り返せばそれだけガソリンを食うことになる。
昔のカタログには一定の速度で平らな直線を走る時の燃費性能が載っていたが、実燃費と大きく異なるため、リアルに近づけるために走行パターンを増やした「モード燃費」が実施されるようになった。モード燃費は「10モード」「10・15モード」を経て、2011年から「JC08モード」になり、13年3月以降は全ての自動車にJC08モード燃費値を表示することが義務付けられている。
しかし、モード燃費が進化を遂げるも、その時によって道、運転のクセ、エアコン、乗車人数などの条件が異なる以上、カタログ燃費値と実燃費値の乖離を完全になくすのは不可能だろう。偽装は決して許されるものではないが、カタログの燃費を鵜呑みにせず、「アイドリング・ストップを心掛ける」「無駄な加速を控える」「不要な荷物を車から降ろす」「軽量のホイールやエコタイヤへ換装する」「定期的なメンテナンスを行う」など工夫して、燃費の向上を図りたい。(編集担当:久保田雄城)
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