東亜建設、ベネッセ、富士重など/本日の注目個別銘柄

2016年5月9日 16:33

印刷

記事提供元:フィスコ


<9983> ファストリ 28610 +590しっかり。先週末に4月の月次動向を発表している。既存店売上高は前年同月比1.3%増、2ヶ月ぶりのプラスに転換している。客数の減少を客単価の上昇でカバーする形になっている。比較的気温には恵まれたものの、前年4月は同19.3%増と高い伸びで、ハードルが高かったこともあり、プラス転換をポジティブに捉える動きが優勢に。Uアローズなどとの比較でも底堅いといった見方に。

<3393> スターティア 677 +100ストップ高。総務省では、デジタル教科書の普及に向けて、2020年までに全国すべての小・中・高校に無線LANを導入する方針と報じられている。デジタル教科書の普及が促されるとして、関連銘柄として物色される格好になっている。同社は電子書籍作成ソフトを手掛けており、デジタル教科書の普及でビジネスチャンスの拡大が期待されている。

<7270> 富士重 3599 +31買い先行。17.3期営業利益は4300億円程度、前期推定比2割強減少する見通しと報じられている。自動車販売台数は伸びるものの、為替の円高によって採算が悪化するようだ。想定レートは1ドル=105円程度に設定するもよう。市場コンセンサスは1000億円程度下回る水準であるものの、ここまでの株価調整で十分に下振れは織り込まれる状況になっていたとみられる。短期的な悪材料出尽し感が強まる形に。

<1885> 東亜建設 169 -48連日の急落。羽田空港C滑走路の地盤改良工事で、液状化を防ぐ薬液の注入量データを改ざんして、設計どおりに完成したと虚偽の報告を行ったと発表。薬液の注入量は設計の5.4%に過ぎなかったもよう。他の工事における改ざんの広がりなども懸念されているほか、信用力低下に伴う今後の受注への影響なども警戒される状況に。

<9783> ベネッセ 2497 -628急落で下落率2位。先週末に業績予想の下方修正を発表、営業利益は135億円から109億円に、最終損益は38億円の黒字から82億円の赤字に減額修正している。進研ゼミの販売費増加、繰延税金資産取り崩しなどが背景に。とりわけ、繰延税金資産取り崩しの要因となった国内進研ゼミの4月会員数大幅減だが、これは今期業績を占う最大指標でもあり、今期の本業ベースへの影響が警戒される形にも。

<9419> ワイヤレスゲート 2247 +174大幅続伸。公衆無線LANやWi-Fi/WiMAXサービスなどを手掛けており、前日に報じられている全小中高に無線LANを導入するとの報道を受けて、ビジネスチャンスの拡大が期待される状況になっているようだ。また、日本通信<9424>なども同様の思惑から買い優勢の展開になっている。

<2768> 双日 230 +17後場入り後は急伸。後場寄りに決算を発表、前期営業利益は292億円で前期比12.8%減益、従来予想の405億円は下振れる着地になっている。一方、今期は440億円で同50.5%増益の見通しになっている。市場予想は前期、今期ともに350億円程度の水準であった。資源価格が低迷する中、前期の業績下振れは想定線である一方、今期の増益幅の大きさは想定以上と捉えられている。

<5411> JFEHD 1449.5 -86.5下げが目立つ。中国鉄鋼業界で早くも増産の動きが出始めたと報じられている。値上げや資源安などで利幅が改善してきたことが背景、鉄鋼市況が再度悪化する可能性などとされている。足元では、アジア市況の上昇などが鉄鋼株の期待材料となってきていたが、こうした期待値が再度低下する格好になっているようだ。

<7013> IHI 245 +9買い優勢。17.3期営業利益は600億円程度になりそうだとの観測報道が伝わっている。前期の220億円からは大幅に改善、海洋関連事業の工事トラブル正常化を想定しているようだ。市場想定の範囲内の水準ではあるが、前期は下方修正が繰り返されていただけに、目先の安心感などが先行する格好にも。《XH》

関連記事