日本の雇用慣行踏まえた制度設計を強調―榊原定征・経団連会長

2016年4月29日 10:14

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記事提供元:エコノミックニュース

 政府の経済財政諮問会議メンバーの榊原定征日本経済団体連合会会長は同一労働同一賃金について「経済界は正社員と非正規雇用の不合理な格差解消に向けて、同一労働同一賃金を目指すという方向性を政府と共有している」としたうえで、「賃金制度や雇用慣行は国ごとに異なるので、わが国の制度を踏まえた制度にしなければならない」と改めて、制度設計では日本の雇用慣行を踏まえた制度設計を求めた。

 榊原会長は「日本の場合、職務内容だけでなく、労働者に対する期待や役割、将来における会社への貢献といった要素を勘案して賃金を決定している」とし「同じ職務内容だから賃金を同一にするという考えをそのまま形にした制度はわが国の実態には合わない」とした。

 また「非正規社員の待遇改善に向けて、その給与は正社員のどの程度の割合が適切かという点を巡って検討が行われているが、これについても日本の雇用慣行・雇用制度を踏まえながら、しっかり時間をかけて議論していくことが必要」と格差是正の実現へ喫緊の課題と制度設計を急ぐ必要があるとする安倍晋三総理ら政府・与党との間に温度差がありそう。

 自民党は格差是正について、正社員の処遇引下げでなく、非正規雇用の賃上げを目指すこと。賃金のどの部分が「職務内容」への対価で、どの部分が能力や成果等への対価か等、賃金の『要因分解』を行うこと。その結果、「職務内容」に相当する賃金は正社員と非正規雇用で同一にすべき。また通勤手当など「職務内容」に関連しない一定の待遇は働き方によらず共通にすべきとの考えで方向を示している。(編集担当:森高龍二)

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