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フランス・パリ控訴院、Facebookとフランス市民の係争はフランスの裁判所で審理すべきとの判断
フランスの教師がFacebookアカウントを凍結されたのは不当だとして訴えていた裁判でパリ控訴院は12日、Facebookとフランス市民の係争はフランスの裁判所で審理すべきとの判断を示した(The Guardianの記事、Ars Technicaの記事、Le Monde.frの記事、BBC Newsの記事)。
裁判の発端となったのは2011年2月、教師が19世紀の画家ギュスターヴ・クールベの絵画「L'Origine du monde (世界の起源)」をFacebookのプロフィール写真に設定したところ、アカウントを凍結されたことだ。Facebookではアカウント凍結の理由を明かしていないが、「世界の起源」は裸婦の下半身をクローズアップで描いたもので、Facebookのヌード規制に引っかかったものとみられる。
教師は数か月後、アカウントの凍結が表現の自由の侵害にあたるとして、アカウントの凍結解除や損害賠償2万ユーロなどを求めてフランスでFacebookを提訴。Facebookはユーザーとの係争は米国・カリフォルニア州の裁判所で解決するという利用規約の条項を示し、訴訟の棄却を請求した。しかし、2015年3月にパリ大審裁判所がこの条項を不当とし、教師がフランスで裁判を提起する権利があるとの判断を示したため、Facebookが控訴院の判断を求めていた。
控訴院では大審裁判所の判断を支持し、米国外の個人がFacebookを訴えにくくするもので、フランスの消費者保護法に違反すると判断している。この裁判は今後も続けられるが、控訴院の判断によりフランス市民がFacebookを訴えやすくなるだけでなく、同様の条項を持つ他のWebサービスなども条項の見直しを迫られることになるとの見方もあるようだ。 スラドのコメントを読む | ITセクション | 検閲 | YRO | 法廷 | EU | Facebook
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