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ガラホの船出となった2015年、シェア拡大なるか?
2015年の携帯電話業界の話題と言えば、「セット割」「iPhone6s/6s Plusの発売」「Apple Watch(アップル・ウォッチ)の発売」などが挙げられるが、これらに「ガラホ」を付け加えてみたいと思う。ガラホとは、形状や基本的な操作性はフィーチャーフォン(従来型携帯電話)でありながら、インターネットの閲覧や無料通話・メールアプリが利用できるなど、スマートフォン(多機能携帯電話)の高機能を搭載した携帯電話を指す言葉だ。このガラホが誕生した背景には、スマートフォンに対する「利用料金が高い」「操作がむつかしい」などの不満がある。
こうした状況に商機を見出したKDDI<9433>のauは2月、高速通信サービス「4G LTE」に対応したガラホ「AQUOS K SHF31」を発売。さらに7月に「AQUOS K SHF32」を発売した。さらにNTTドコモ<9437>も6月に「AQUOSケータイ SH-06G」「ARROWSケータイ F-05G」を発売。ソフトバンク<9984>も「AQUOSケータイ」を11月に発売。そして「かんたん携帯9」「DIGNOケータイ」を16年3月に発売するとしている。
まさに15年はガラホにとって「船出の年」となったわけだが、各社が発売した(発売予定の)機種を比較してみると、ある一点で1社が抜きん出ていることがわかる。それはauのガラホのみLTE+Wi-Fi機能が搭載されている点だ。高速通信サービスに対応していることから、auのガラホはフィーチャーホンでありながらフィーチャーホンではない、まさに「ガラホ」という名称にふさわしい機能を体現している。
もちろん、今後NTTドコモやソフトバンクも機能を追加してくることは予想できるが、ガラホに限って言えば、auがリードしていると考えていいだろう。あとは、こうして華々しく船出したガラホが、どのようにして市民権を得ていくかだ。大手3社のラインアップが充実すればそれだけ、ユーザーの数も必然的に増えることになるとは思うが、今の携帯業界にはスマートフォン以外にも「格安スマホ」という選択肢もあり、5月以降の「SIMフリー義務化」を受けてそのシェアは拡大することが予想される。こうした「スマホ」「格安スマホ」「ガラホ」という(ややいびつな)三つ巴の中、どのようにガラホが伸長していくのか、16年以降の動向に注目したい。(編集担当:滝川幸平)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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