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【2015年振り返り】スマホゲームとコンシューマーゲーム、「対立」から「歩み寄り」へ
2015年のゲーム業界を振り返ってみた時、まず頭に浮かぶのがコンシューマー(家庭用据え置き機)ゲームと、スマートフォン(多機能携帯電話)向けゲームの関係性だろう。かつてそれらは、ゲームという共通項で結ばれていながらも、対立しあう2項目として捉えられてきた。そうした状況に大きな変化が訪れようとしていることを象徴的に表したトピックが、任天堂<7974>とDeNA<2432>との資本・業務提携だ。
両社は今年の3月に資本・業務提携を結び、任天堂のゲームソフトや、同社の人気キャラクターである「マリオ」を使ったスマートフォン向けゲームを共同で開発し、配信するとの発表を行った。任天堂はそれまで、自社の端末とその専用ソフトの開発に注力し、スマートフォン向けゲームへの進出には消極的な(さらに言えば、否定的な)姿勢を示していた。この背景には、スマートフォン向けゲームの隆盛に押され、業績が落ち込み続けている任天堂の「台所事情」が大きく関わっている。そういう意味では、この提携はコンシューマーゲーム側が、スマートフォン向けゲーム側に「歩み寄った」ものと見ることもできる。その後、任天堂はスマートフォン向けゲームの第一弾として、「Miitomo(ミートモ)」を16年3月にリリースすると発表している。スマートフォン向けゲームへの進出という「決断」が、低迷する同社の業績にどのような影響を与えるのかは、リリース後の動きをみて判断することになりそうだ。
こうして、昨今言われ続けている「コンシューマーゲームの低迷と、それに対するスマートフォン向けゲームの隆盛」という構造を、任天堂とDeNAの提携が(ある意味)色濃く浮かび上がらせたわけだが、コンシューマーゲーム業界内にもよいニュースがなかったわけではない。ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PlayStation4(PS4)」の世界販売台数が、11月に3000万台を突破したというニュースだ。13年11月の発売開始から約2年で3000万台の大台突破というのは、歴代のプレイステーションの中でも最も速いペースであり、世界市場においてはまだまだコンシューマーゲームが健在であるという事実を知らしめた。
ただし、スマートフォン向けゲームも世界市場への進出に活発な動きを見せていることから、コンシューマーゲームの「国内のマイナスを世界でフォローする」という形が、16年以降も有効であるかは未知数である。(編集担当:滝川幸平)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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