DEET並みに蚊を寄せ付けない香水はフルーティフローラルの香り

2015年11月15日 23:31

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記事提供元:スラド

いささか季節外れの話題となるが、持続時間は短いものの、DEET並みに蚊を寄せ付けない効果のある香水が発見されたそうだ(論文ニューメキシコ州立大学のニュース記事Consumeristの記事Gizmodoの記事)。

DEET(ジエチルトルアミド)は確実な蚊の忌避効果が期待できる。しかし、副作用の懸念からDEETを用いず、ハーブオイルなどを有効成分として使用する忌避剤も多い。米国・ニューメキシコ州立大学の研究者らは、DEETを使用するスプレー製品3種、DEET不使用のスプレー製品4種、チアミン(ビタミンB1)を使用するパッチ製品1種のほか、Avonのバスオイル「Skin So Soft Bath Oil」とVictoria's Secretの香水「Bombshell」を用い、ネッタイシマカとヒトスジシマカに対する忌避効果を比較している。

Victoria's SecretのBombshellはフルーティフローラルの香り。過去の研究ではフローラル系の香りが蚊を誘引するとの結果もみられるが、今回の実験ではネッタイシマカ、ヒトスジシマカともに強い忌避効果を発揮し、120分後まではDEETに劣らない効果が持続したとのこと。ただし、実験では一般的な香水の使用量よりも多く噴霧しているため、実際の使用場面では効果が違う可能性もあるとのことだ。AvonのSkin So Soft Bath Oilはネッタイシマカに対する効果が強く、ヒトスジシマカにはあまり効果がなかったようだ。

(虫除け製品での結果に続く...)
DEETを使用する製品はいずれも120分後まで強い効果がみられたものの、240分後には有効成分の少ない(25%/7.0%)製品の効果が薄れ、有効成分98.11%の製品のみ効果が持続している。一方、DEET不使用の製品の中ではレモンユーカリオイルを使用した製品が強い効果をみせ、240分後にも効果が持続している。ゲラニオールとローズマリーオイル、シナモンオイル、レモングラスオイルを使用した製品も強い効果を発揮しているが、ネッタイシマカに対しては30分後に効果が失われている。また、シトロネラオイルを使用した製品はネッタイシマカに対する効果はほとんどみられないものの、ヒトスジシマカには効果を発揮したとのこと。ゲラニオールと大豆油を使用した製品や、チアミンを使用したパッチ製品では効果がほとんどなかったそうだ。 スラドのコメントを読む | ITセクション | バグ | サイエンス

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