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ひとつの時代の終わり ソニー ベータマックスカセット 出荷終了へ
ベータビデオカセットは、家庭用のビデオ記録用途に向け開発した磁気テープ記録方式『ベータマックスフォーマット』の記録メディアで、1975年より生産されてきた。このフォーマット対応ビデオテープレコーダー機器の生産は既に2002年に完了している。[写真拡大]
ソニー<6758>は同社が開発したベータマックス規格のベータビデオカセットおよびマイクロMVカセットの出荷を2016年3月をもって終了することを発表した。
ベータビデオカセットは、家庭用のビデオ記録用途に向け開発した磁気テープ記録方式『ベータマックスフォーマット』の記録メディアで、1975年より生産されてきた。このフォーマット対応ビデオテープレコーダー機器の生産は既に2002年に完了している。
マイクロMVカセットは、デジタルビデオカメラの記録方式『マイクロMVフォーマット』の記録用テープメディアで、同フォーマット対応ビデオカメラの生産はやはり2005年に完了している。
これによって、ベータマックスフォーマットの記録メディア、およびマイクロMVフォーマットの記録メディアの出荷は、すべて終了することになる。
ベータマックスは、VHSと共に本格的家庭用規格として販売されたカセット型ビデオテープレコーダー(VTR)規格だ。1号機(SL-6300)は、1975年に発売された。
これ以前の家庭用VTR規格はいずれも本格的な普及を見なかったが、ベータマックスのヒットにより家庭用VTR市場が開拓され、その初期段階では相応のシェアを占めていた。しかし後の熾烈な販売競争でVTRの世帯普及率が高まる中ではシェアを拡大できず、前述したように2002年に規格主幹のソニーも生産を終了し、市場から姿を消していた。
性能的に非常に優れたものだったが、VHSより部品点数が多く、調整箇所も高い精度を要求される構造によって、メーカーにとって家庭用ビデオの普及期に廉価機の投入が難しかったという欠点があった。
東芝<6502>などからは思い切って機能を省いた廉価機も初期から発売されてはいたが、規格主幹のソニーが性能重視の姿勢で廉価機の開発が遅れたこともあってシェアを伸ばせなかった。こういったことから「性能が優れているものが普及するとは限らない例」として、よく引き合いに出されることになった。
ともあれ、40年に及ぶ、ベータマックスの時代が、今回のカセット出荷終了で、終わることになったわけである。(編集担当:久保田雄城)
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