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北大、絶滅哺乳類デスモスチルス類の新しい標本を発見
カナダ・トロント大学の千葉謙太郎らの研究グループは、米国アラスカ州ウナラスカ島に分布するウナラスカ層(約2,400万〜1,300万年前)から発見されたデスモスチルス類の化石を新属新種として、「オウナラシュカスチルス・トミダイ」と命名した。
デスモスチルス類は、漸新世から中新世(約3,300万年〜1,000万年前)にかけて北太平洋沿岸に生息していた、一見カバのように見える哺乳類のグループであり、柱を束ねたような現生の哺乳類には見られない奇妙な歯を持っている。しかし、子孫がすべて絶滅してしまっていることから、その生態は今なお謎に包まれている。
今回、研究グループは、米国アラスカ州ウナラスカ島に分布するウナラスカ層(約2,300万年前)から発見された標本を発表した。この標本は、幼体から成体までの少なくとも四個体に由来する歯・下顎・頭・蓋を含んでいる。そして、この標本に基づいて今回記載されたのがデスモスチルス類の新属新種「オウナラシュカスチルス・トミダイ」である。
オウナラシュカスチル ス・トミダイは、デスモスチルス類に特徴的な歯の柱状構造の高さと数が最も進化したデスモスチルス、やや原始的なコーンウォリウスの中間にあることから、今まで知られていたこ れら2種のデスモスチルス類の間に位置する新属新種であることが明らかになった。
さらに研究グループは、デスモスチルスと共に最も進化したデスモスチルス類の一つであるヴァンダフーフィウスの標本も発表した。
この標本は、2000年に北海道大学の箕浦名知男(元)助教授とその学生らが北海道雨竜郡幌加内町にて発見した下顎の化石で、これまでに報告されているデスモスチルスとヴァンダフーフィウスの標本と比較を行った結果、この標本は最も大きい個体のものであることが明らかになった。また、デスモスチルス類は成長の途中で 下顎の内側に緻密で大きな骨のコブが急激に発達することもわかった。
なお、この内容は「Historical Biology」に掲載された。論文タイトルは、「A new desmostylian mammal from Unalaska (USA) and the robust Sanjussen jaw from
Hokkaido (Japan), with comments on feeding in derived desmostylids」。
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