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PETA、猿が撮影した写真の著作権者は猿自身であるとして写真家らを提訴
野生のクロザルが撮影した写真について、著作権者はカメラを操作したクロザルの「Naruto」であるとして、動物愛護団体のPETAが写真家と出版社を相手取った訴訟を提起した(訴状: PDF、Ars Technicaの記事、Dallas Morning Newsの記事、The Registerの記事)。
写真は英国の野生動植物写真家David Slater氏がインドネシア・スラウェシ島で撮影を行っていたところ、野生のクロザルがカメラを奪って撮影したもの。絶滅危惧種のクロザルを至近距離からとらえた貴重な写真となっているが、Slater氏の著作権が認められるかどうかについて議論を呼ぶことになる。2014年にはWikimedia財団が写真はパブリックドメインであるとして、Slater氏に無断で公開。米著作権局も動物が創作した作品に著作権は認められないとの見解を示していた。
しかし、PETAでは著作権局の見解はあくまで見解に過ぎないとし、米国の著作権法に著作権者を人間に限るとの文言はないと主張。これらの写真を使用した出版物でSlater氏およびSlater氏の会社Wildlife Personalitiesが著作権者として記載されているなどと述べ、Narutoの著作権を侵害したとしてSlater氏とWildlife Personalitiesおよび写真集を出版したBlurb社を訴えている。
なお、英国ではWildlife Personalitiesが写真の著作権を取得しているとのことだ。 スラドのコメントを読む | YROセクション | YRO | 法廷 | スラッシュバック | 著作権 | アメリカ合衆国
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