ヒト成長ホルモン製剤によるヤコブ病発症者からアルツハイマーの原因となる物質が確認される

2015年9月14日 16:59

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 「汚染」された成長ホルモン剤の投与によって、アルツハイマー病の原因とされるAmyloid-βという物質が体内に蓄積される可能性が報告されたという(NHKNature掲載論文)。

 1970年代ごろ、人間の遺体の脳下垂体から抽出した成長ホルモン剤が原因で、脳機能障害の一種であるクロイツフェルト・ヤコブ病を発症するという事件があった。ヤコブ病は「異常プリオン」と呼ばれる物質が脳内に侵入することで発症するが、この異常プリオンに汚染された脳を「原材料」として使用したために発症したとみられているが(WIRED)、死亡した患者の脳を調べたところ、脳内でAmyloid-βの蓄積が確認されたという。

 つまりヤコブ病と同様、Amyloid-βについても外部から体内にその種が持ちこまれる可能性がある、ということらしい。

 単純にアルツハイマーが人から人に伝染する、という話ではないことは強調しておきたいが、まだ明らかになっていないアルツハイマー発症のメカニズムを解き明かすきっかけになるのかもしれない。

 スラドのコメントを読む | 医療

 関連ストーリー:
脳の働きを妨げる新たなたんぱく質が発見される 2015年06月08日
血液検査で3年内のアルツハイマー病発症を予見できる、精度は90% 2014年03月12日
アルツハイマー病の研究を行う国家プロジェクトでのデータ改ざん、告発者が記者会見 2014年02月05日
異常プリオン毒性部分の構造を解明 2003年12月03日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事