有料電子書籍の利用率、前年比3.1ポイント増の13.5%―インプレス

2015年7月30日 05:33

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 インプレスグループのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所が電子書籍市場を多角的に分析した『電子書籍ビジネス調査報告書2015』によると、2014年から2015年の一年間は、無料マンガアプリのユーザーが増加し、アプリ内のサービスも拡張するなど、コミック関連のトピックが目立った。その一方で、電子雑誌を中心にサブスクリプションモデルが普及しはじめ、従来型の電子書籍・電子雑誌ビジネスの枠には収まらないものも登場しているという。

 また、総合型ストアとはコンセプトの異なる専門書店が誕生したり、電子図書館サービスに向けての動きあったりという動きもみられ、電子書籍・電子雑誌ビジネスがさらに活発化することが予想されるとした。

 同調査報告書では、国内の電子書籍市場の市場規模分析、各関連プレイヤーの動向、電子書籍分野で理解すべき最新動向、ユーザーの電子書籍利用実態調査などのほかに、24の国内・海外の注目すべき電子書籍ストア/サービスの概要も個票形式で紹介。

 さらに、①インターネットユーザーの有料電子書籍に関する利用率や利用意向、②有料電子書籍を利用しているユーザーの利用実態、③無料マンガアプリ/サービスを利用しているユーザーの利用実態を、パソコン上でのインターネット調査と、スマートフォン上でのインターネット調査にて実施した。価格はCD(PDF)版が58,000円(税別)、CD(PDF)+冊子版が68,000円(税別)。

 公表された主要な調査結果は以下のとおり。

 有料の電子書籍利用率は13.5%で、昨年から3.1ポイント増加。また、無料の電子書籍利用者は15.8%で、電子書籍の経験者は29.3%(パソコン調査)。一方、今年度初めて実施したスマートフォン上での調査では、有料利用率が15.5%、無料のみの利用率が24.0%。スマートフォンでのインターネットユーザーの方が、無料の電子書籍のみの利用者の比率が高いことがわかった。

 電子書籍ストアの使い分け方では、スマートフォン調査、PC調査ともに「価格が安い方で購入する」が49.8%で最も高いものの、PC調査では「キャンペーンを実施している方で購入する」が45.1%、「価格とポイントの両方を見てお得な方で購入する」が43.4%で続いた。

 無料マンガアプリ/サービスの利用率は、スマートフォン調査で26.7%、PC調査で13.3%となり、両者に大きな差が見られた。また、利用している無料マンガアプリやサービス名にも違いが見られ、スマートフォン調査においては「comico」が38.3%で最も高く、「LINEマンガ」が26.1%、「マンガボックス」が19.3%、「少年ジャンプ+」が18.5%だった。

 一方、PC調査では「LINEマンガ」が30.0%で最も高く、「comico」が25.1%、「Yahoo!ブックストア」が22.8%、「少年ジャンプ+」が19.1%と続いていた。(記事:町田光・記事一覧を見る

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