座ったり寝たりする際の体圧を測定して“床ずれや褥瘡(じょくそう)”を防止する機器、住友理工から

2015年7月19日 20:30

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記事提供元:エコノミックニュース

「国際モダンホスピタルショウ2015」で住友理工が参考展示した体圧分布測定機器「SRソフトビジョン“全身版”」だ。体圧の分布は左のPC画像と数値で表示される

「国際モダンホスピタルショウ2015」で住友理工が参考展示した体圧分布測定機器「SRソフトビジョン“全身版”」だ。体圧の分布は左のPC画像と数値で表示される[写真拡大]

 7月15日から東京・有明の東京ビッグサイトで「国際モダンホスピタルショウ2015」が開催された。その会場でユニークな介護&介護予防のための“体圧分布測定器”である「SR(スマートラバー)ソフトビジョン」を住友理工<5191>が展示、体験コーナーを設けた。

 住友理工は自動車用防振ゴムやホースの大手メーカーとして古くから知られる東海ゴム工業が2014年10月、「住友理工」へと社名を変更、生まれ変わった企業だ。創業時からのコア技術「高分子材料技術」と、材料から最終製品まで自社評価できる「総合評価技術」を基盤に、グローバル・メガサプライヤーとして企業活動している。そうした中、新事業分野として、2014年に「健康介護事業室」を設け、健康管理や介護(支援)のための機器開発を行なっている。

 今回、展示された「SRソフトビジョン」は、椅子に腰掛けたりベッドに寝転ぶ際に、体を支えている部分に敷いたマットが、座ったり寝たりしている人の体圧の分布を自動的に計測するシートだ。

 これは、「寝たきりなどで体圧に起因する“床ずれや褥瘡(じょくそう)”を防止するために、現在“熟練した医師や看護師による触診”で診断しているのが現状。そこで体圧の分布を細かいセンサーで可視化することで、正しい治療や看護に活かす目的で開発した」と住友理工・健康介護事業室・渡辺裕介営業課長は開発の経緯を語る。同社は、ゴムに電気を通す技術を使い、プリンターの部品などを作っているが、この「SRソフトビジョン」のセンサーも通電技術の応用だ。

 SRソフトビジョンのシート部は非常に柔らかな素材で「お年寄りなどの皮膚にも優しい感触で体圧を測定してもらえるよう配慮した」製品だ。渡辺課長によると、「このセンサーを用いてシーティング(座り心地)を数値化し、クッション選定の具体的な指針にする。また、ベッドに横になった状態の圧力を計測して“床ずれのリスク”を判定、緩衝材を使うべき場所の設定などにも活用できる」という。また、車椅子の利用者の多くがシートクッションや背もたれなどを含めてオーダーメードで車椅子を発注するが、その際のシートクッションの設計にSRソフトビジョンで数値化されたデータが活かせるように感じた。

 現在、販売している同製品は3種類。圧力分布を色の違いで見せる「分布版」、圧力を色の違いと詳細な数値で表示する「数値版」、加えてその圧力データをWi-FiでPCやタブレットに飛ばして表示する「無線版」だ。価格は順に10万円、29.8万円、34.8万円。また、今回は頭からつま先までの耐圧測定が可能な「全身版」も参考出展した。(2015年秋発表予定)

 なお、SRソフトビジョン「数値版」「分布版」は、7月5日に福祉用具プランナー研究ネットワーク(PLANNET)が主催する「福祉用具アワード2015」で「一つ星」が授与された。(編集担当:吉田恒)

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